空から届く贈り物

ラル

Prolog


私が大好きだった人は

自分よりも下の子達には優しいくせに同学年には言葉遣いが悪い人だった。


「ねぇ、なんで私達にはこんなに優しいの?」


1度だけ聞いたことがある。


『大人や、同学年は平気で裏切ってくる。

でもその点お前らは俺の事信じてくれんだろ?』


頭を撫でながら言ってくれた蓮くんは何処か切なくて、いつか消えてしまいそうな気がした。今思えばこれがSOSだったのかもしれない。




〖続いてのニュースです。

○○市 西野山高校の生徒。男子(16)歳が…〗


見たくもなかった 知りたくなかった。

朝のニュースで流れてきた大好きな貴方の死。


なんで…

どれだけ叫んでもこの声は届くことなんてない。


「もう一度…会いたいよ。蓮くん…」


そうぼそり呟いた時 微かに聞こえた優しい君の声。


『よっ…仁奈』


〜初恋のあの人は誰よりも優しい人でした〜

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