饕餮
雪乃
プロローグ
『日が沈みかけ、コオロギの声も少なくなった田舎町のコンビニエンスストア。
そこで、男が1人雨止みをしていた。
彼はこれからの指標を見失っていた。
都会にある彼の賃貸はいずれ契約解除しなければならない。
それを思い出す度に憂鬱になるので、遂には地元の方へノコノコと戻ってきたのだ。
その挙句、しとしとと嫌な雨が降るので彼の気は休まる所を知らなかった。
そして、地元とは言ったものの、彼の知り合いはこの近辺に居ないことは確かであった。
この頃世界は、大火地震に大津波、辻風台風竜巻大雨、洪水日照りに暖冬冷夏のオンパレード。
お陰で作物は育たず、経済は停止し、剰え飢饉が発生。
また、感染症も拡大の一途を辿るような、正に地獄であった。
道には生きているか死んでいるか分かりもしない人がゴロゴロと転がっている。
都会がその様になってきたので、田舎町の凄惨さは想像がたやすい。
凩の音だけが建物の間を流れる。
男は結局、今晩の風雨を凌ぐため、コンビニエンスストアの中に入った...』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます