七章 覚悟


「その話、詳しく聞かせてください!!」


私たちの犯した罪、龍神様なら何か知っているかもしれない!

私は食いつくように答えを求めた。


「はっ、無自覚とはタチの悪い。して、今更罪を知って何になる?」

「……償います」


私は自身が置かれている状況を話した。


「だから、犯した罪を知りたいと」

「……はい。きちんと向き合って、日々の行いを改めれば……」

「まだ間に合う、という保証はどこにある?」

「……え?」

「貴様らの言う主神の中で、世界を滅ぼすことが決定事項であった場合、そう簡単には覆らんぞ。神とはそういうものだ」

「そ、そんな」

「だいたい罪を知ったところで、同じ種である人間がお前の話を取り合っていないのに、どうやって周りに知らしめる?」

「それは……」

「第一、箱舟に住む奴らの行動を、主神が逐一見てるとも思えん。貴様が聞いたそれは、警告ではなく、判決である可能性が高い。そうなれば、もう何をしようが手遅れだな」


気付いた時には手遅れだった……とはよくある話で、そうして私たちは後悔と共に様々なものを失っていく。


……でも、それでも。


「やっぱり、犯した罪は知るべきです。私たちのせいで苦しんでいる誰かがいるのに、それを知らずに生きるのは間違ってる。例え世界が終わるとしても、その最後の最後まで犯した罪を抱えて生きなければ」


だから知りたい……いいえ、知らなければならない。




「教えてください、私たちの罪を」

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