第39話 Good Game

 前へ進もうとする度に、自分の影が邪魔をする。もう何度目の後悔なんだ? 前に進もうと覚悟を決めて、その度に手足を掴まれて、何度だって目を逸らしてきた。

 繰り返し、繰り返しなんだ。俺は何一つ成長していない。大丈夫になったフリばかりが上手になって、言い訳と逃げ足が洗練されていく。


 今だって――


「くっ……!?『バスティオン・レヴナント』!」

「……」

「アハハッ!ハハハッ!」


 周囲に半透明な壁がせり上がる。大盾を構えたたこらいすのスキルだ。同時に数多の『俺』が無表情で武器を携え、掲げて、俺に迫る。斧が、剣が、槍が、見慣れたモーションで突き出されては壁に突き刺さり、細かなヒビを生む。

 聞こえるのは、焦りに焦ったたこらいすの息づかいと、高らかな笑い声。


「お兄さん!お兄さん!?状態異常……『アンチドート』!……呪い?『クリアカース』!違う……『ライオンズハート』!」


 たこらいすが何かを唱える度に、バキン!と何かが折れる音がする。使い捨ての杖か、あるいは魔法の込められた防具か。どちらにしても、たこらいすが全身全霊で俺を助けようとしていることだけは分かる。

 そして、それらの努力が俺を救えないことも。


 俺の震えは、ゲームによるものじゃない。俺自身の心によるものだ。どれだけ心を固めても、顔を上げられない。立ち上がりたいのに、手足に力が入らない。前を向こうとしているのに、身体が言うことを聞いてくれないのだ。


 ガンガンと武器が叩きつけられる音がする。壁にヒビが入って、灰色のガラス片めいたものが俺の足元に落ちた。


「ま、マジヤバイ……こんなに耐えられない?デザートイーターの『テンペスト』連打でも割れない切り札なんだけど……」

「アハハハ! 普通に考えれば分からない?good knight様が負けるわけ無いんだから!あの方がこの世で一番強くて、一番輝いてるんだから!」


 たこらいすが焦ったように呼吸を繰り返して、武器を出しては戻してを繰り返す。周囲の壁はいよいよ削り取られ、一部に穴が空いた。


「リキャストは……駄目だ。えぇと、『ガイアリンバス』だったら、いや、それよりも……っ」

「……」

「お兄さん、しっかり!俺の声聞こえる!?う、動ける!?」


 たこらいすが俺の直ぐ側にしゃがんで、肩を叩いてきた。俺は反応出来ず、浅い呼吸を繰り返す。何度かたこらいすは同じことを繰り返して……そっと手を離した。


「そ、そっかぁ……駄目かぁ……」


 その声を聞いた時、ひやりと背骨の中に冷たいものが入り込む感覚を覚えた。俺を支える細々とした、最後の何かが途切れた気がした。呼吸が止まって、目眩がして、俺は思わず顔を上げる。

 何かを言わなければ行けない気がしていた。けれど、何を? 


 俺はまだやれる?

 待ってくれ?

 ごめんなさい?


 溶け出した脳は答えを出せない。動き出した身体だけが言葉を紡ぐフリをして……目を見開いた。


「――分かったよ」


 見上げたたこらいすは、笑っていた。少し困ったような、けれども彼らしいイタズラめいた笑みだ。何が分かったのか、なぜ笑っているのか、何もわからない。それは承知の上なのだろう。たこらいすはニカッ、と朗らかに笑って親指を立てる。


「あんまり俺ってこういうの得意じゃないけど、得意じゃないことをやってみるのも……ゲームの醍醐味!」

「たこ、らいす……」

「お? 声出せるんだ!ってことは、俺の声聞こえてた?なんかちょっと恥ずいな」


 ガキン!と音がする。壁の一部が剥離して、飛び出した槍の穂先がたこらいすの背後から彼の耳元を掠めた。けれど、たこらいすは振り返りもしない。ただただ、自信の篭った眼差しで俺の目を見ている。


「お兄さん。正直さ、俺はお兄さんのことが全然分かんないんだ。色々掴んでみようとはしたけど、結局俺に見せてくれる部分って、表面な訳じゃん?なんでそんなに苦しそうなのか、楽しむことに後ろ向きなのか、さっぱり訳ワカメでさぁ」


 壁の一部が派手に打ち破られた音がした。たこらいすが目線をそちらに向け、大盾を握る手に力を込める。空いた穴から『俺』が数人、腕を突っ込んで内側からこじ開けようとしていた。

 たこらいすはそれを微妙な表情で見つめた後、「それで」と言う。


「俺に何を言ってくれとか、ここで打ち明けてくれなんて言うつもりは無くてさ。俺にお兄さんを変える力なんて無いんだって思ってる。それでも……そんな俺でも出来ることがあって」


 そう言葉を切って、たこらいすは目を閉じた。そして、一瞬の躊躇いの後に呟く。


「――胸裏インスリット。『無法者に聖剣をマーダー・オブ・ザ・カリバーン』」


 たこらいすの胸裏。隠していたのか、使うのに条件が必要なのか、これで見なかった正真正銘の奥の手。目を見開く俺の前で、たこらいすの背後に数多の武器が出現する。


 直剣、短剣、両手剣、刺剣、薙刀、両刃剣、大槍、短槍、ナイフ、短弓、大弓、小盾、大盾、大槌、片手槌、拳鍔、爪、縄、糸。


 そして……それらが一つずつ、砕けていく。飴細工が衝撃で粉々になるように、たこらいすが丹精を込めて鍛造した武器たちが崩壊していく。そして、壊れた武器の中に一つだけ残った金色の欠片がたこらいすの目前に集って、光の軌跡を描き――黄金の長剣になった。


 同時に壁が打ち破られ、たこらいすが俺を一瞥した。リィン、と澄んだ鈴の音が鳴り、俺の周囲にだけ、極小規模の金色の結界が張られる。


「ッ!?」

「隠すつもりはなかったんだけどさ、俺は俺であんまり外に見せたくないものとかあるし、タイミングもなかったし、こんなお披露目になっちゃったね」


 そう言って、たこらいすが聖剣を地面に突き立てると、黄金の光で形作られた武器の数々が地面から飛び出し、分身達を串刺しにする。

 が、分身にダメージの判定は無いのか、無表情で身体を捩らせると、ドロリと身体の一部を液体化させて串刺しから抜け出した。


 唖然と、たこらいすを見上げる。彼は俺に振り返らず、けれどもその必要が無いほどに晴れやかな声で、こう言った。


「――俺は信じるよ。お兄さんがお兄さんらしく、前を向けるって信じる。いつも通りの雰囲気で、ちょっとだけ自慢げな顔で神プレイを見せてくれるって信じる」


 だからその為の時間を、俺が作る。そう言って、たこらいすは金色の聖剣を大上段に構え、「ははっ!」と楽しそうに笑った。 


「やれるとこまで、やってみよーか!」

「アハッ!三流以下やられ役の登場!精々あの方の引き立て役になって……死ね!」


 墓地の奥で、グッドナイトがたこらいすを嘲笑う。同時に数多の分身が武器を携え、たこらいすに殺到した。俺などこの場に居ないと言わんばかりに、激しい戦いが幕を開ける。


 たこらいすが虚空に手を翳し、あるいは聖剣を振るう度に、これまでたこらいすが積み重ね生み出してきた武器達が分身の群れを薙ぎ倒す。それに合わせ、向けられる攻撃の全てに黄金の盾が逸らしドッジ弾きパリィを繰り返していた。


 黄金の火花、雨、その渦中でたこらいすは目を回しながら、聖剣を上下左右に振り、ステップで攻撃を避け、逆に踏み込む。

 精密機械のような足取りではない。決して完璧な判断ではない。けれどもそこには、彼の積み重ねてきた多くの努力が見えていた。


 ――やっばいよマジで……俺本気でやらないと、寄生どころかブースティング野郎呼ばわりされるって。


 ――ステップステップって言うけど、俺とお兄さんで何が違うんだろ……?


 ――だぁぁぁ!!ゴメン!またミスっておつった……次はもっと上手くやるよ。


 たった一週間の周回だ。だが、彼が俺の動きを見て、これまでの全てと照らし合わせて、何かを得ようとしているのは分かっていた。

 それは才能ではなく努力であり、天性ではなく理性によって形作られた戦い方だった。


「っしゃぁ!次ぃ!」

「ハァ……?何、この雑魚。MOBは大人しく主役に席を譲るのが常識でしょ?」

「残念!本日の主役は、この俺達!――『メインディッシュ』だぜぃ!!」


 たこらいすが聖剣を天高く掲げ、振り下ろす。瞬間、闇夜に包まれた墓地を照らすほどの光の奔流が生まれ、全方位の『俺』を派手に吹き飛ばした。

 俺はただそれを、呆然と見つめている。


 ――何故?


 疑問が埃のように湧き立っていた。


 どうしてそこまで戦えるのか。

 どうしてそこまで戦ってくれるのか。

 俺が疎ましくないのか。

 俺に失望しないのか。


 俺は何度、お前に迷惑を掛けたんだ。何度その朗らかな笑顔を苦笑いに変えてきたと思ってる。今の俺の姿を見て、この状況を見て、サレンダーしないのは何故だ?

 見ていれば分かる。グッドナイトの『融心』は規格外だ。どれだけたこらいすが勇猛果敢に、そして繊細に気を払って戦い続けても、夜闇の中から分身が無限湧きしている。


 どれだけ弾き飛ばし、切り裂いても、まるでダメージが入っていない。本体であるグッドナイトにたこらいすが黄金の光波を叩きつけても、クスクスと笑って、それだけだ。


 なのに、どうして――そんなに楽しそうに笑えるんだ?


「うぉっ!?マジでこれ無限湧き!? 百体以上ぶっ飛ばしてんだけどなぁ!?」

「答えを教えようか?ゼ・ロ!ゼロ!ゼロ! お前みたいな雑魚がどれだけ藻掻いても、あの方の身体には傷一つついて無い!」


 たこらいすが冷や汗を垂らしながら歯を剥いて笑う。その背後に分身が放った数多の矢が、投げ槍が迫って、整然と並ぶ黄金の大盾がそれを弾く。何度となく、繰り返される攻撃と防御。

 その度に一つ、また一つ……たこらいすの扱う武器が消えていく。恐らくたこらいすの『胸裏』は、払ったリスクによってリターンが増減するタイプなのだろう。


「うげぇ……こんなことならもっと働いときゃ良かったかなぁ……おっと」


 正面から突き出される数多の刃物、あるいは鈍器。それらはある程度がたこらいすの盾によって防がれ、しかし丁寧にその間を通した数本がたこらいすの身体を貫く。

 頬が抉れ、耳の端が削げて、手足に切創が積み重なる。貫かれた傷から流れ出るのは、紅蓮ではなく黄金の血潮。


「ハハハ!鳥葬されてるみたいだな!ホント、情けない!」

「クッソ〜っ!めっちゃムカつくんだけど!?性格悪いにもほどがあり過ぎだって!」


 グッドナイトが嗤う通り、徐々に徐々に、たこらいすの張る弾幕が薄くなっていく。対照的に数多の『俺』はたこらいすの動きを学習しているようで、回数を重ねるごとに強襲の精度が上昇し、動きが俺に近付いていく。


 たこらいすの身体から流れる黄金の血潮が荒れた墓地に散って、光の粒子となって消えていく。視界の端に映るシステムUIで、たこらいすのHPが徐々に減少していくのが見えた。


 俺は、俺は……これで、いいのか?


「駄目、だろ」


 視界一杯に映るのは、トラウマの塊。これ以上無いと思えるほどの悪夢。脳が割れそうだ。鳥肌が立ちすぎて、全身の感覚が無い。でも――


 ――俺の視界には【ログアウトしますか?】の表示が無い。


 たこらいすの背中に短刀が突き立てられ、彼は歯噛み一つに曲者を切り払った。しかしその度に周囲から刃物を、鈍器を振るわれ、聖剣の輝きが曇っていく。


 それでも、彼の顔から笑みが消えることは無かった。どこまでも純粋にこのゲームを楽しんでいるのが痛いほどに分かった。


 俺には……それが出来ない。しちゃいけないんだ。だって俺は、あの夜に。俺は楽しもうとした。だから負けたんだ。俺のせいだ。


 淀む思考にメスを入れるように、曇天に光芒が差すように……「あ」という間抜けなたこらいすの声が響いて、俺は目を細めた。


 。ハッとして顔を上げる。黒一色、どこまでも沈むような夜の空。その中心に根差す太陽に、微かなヒビが入っていた。

 遅れて、空から数本の矢が落ちてグッドナイトの周囲に落ちる。


「あれま。エグい曲射なら抱えこんでる頭に当てられそうって思ってたけど……」

「ッ!? お、前ぇ……!一度ならず二度までも……!!」

「え……ぁ、マジ!?そういうこと!?」


 傷だらけのたこらいすがニヤリと笑みを深める。対照的に、グッドナイトは頭部を失った首元から怨嗟の声を上げ、どす黒い煙を沸き立たせていた。

 グッドナイトが抱きかかえる『首』に狙いを定め、天空からの曲射を狙ったたこらいすが偶然、この世界に浮かぶ太陽に攻撃を届かせたようだ。


爛々と輝いていた太陽の一部に小さな亀裂が入り、そこから薄いカーテンのように……恐らくは月光が差してきている。

 全身ズタボロで、HPも残り僅かなたこらいすがそれを一瞥し、俺に向かって満面の笑みを浮かべた。


「お兄さんっ!だっ!!コイツらの本体!この世界の太陽だ!」


 グッドナイトが持つ『融心』――『円卓夜行』が持つ理不尽なまでの分身生成。その種が割れた瞬間だった。首無しのグッドナイトが舌打ちをして、引きつったように嗤う。同時に満身創痍のたこらいすに『俺』が放つ縄と鎖が伸びて……反応の遅れたたこらいすでは、それを避けきれなかった。


「わぶっ!? マジ、ヤバ……!」

「チッ……それで?だから? チェックメイトだよ、雑魚が!お前じゃ、あのお方を……私の太陽を壊すなんて到底無理だ」

「……そうっぽいね。こりゃあ無理無理!」


 たこらいすは陽気に笑って……手足を拘束されたまま、俺を見る。同時に俺の周囲を囲っていた黄金の結界が砕け、グッドナイトの目線が俺を捉えるのが分かった。

立ち上がらなければ行けない気がした。前を向いて、耳を澄まさなければ。強い衝動が無気力な俺の体を突き動かして、よろよろと立ち上がらせる。


そうして、無理矢理目線を上げて、good knightの群れに取り囲まれたたこらいすと目を合わせた。長いような一瞬の後、彼は笑顔でこう言った。


「勝っても負けても俺は笑うからさ――せっかくなら、楽しんで!」


 その身体に数多の武器が叩きつけられる。笑顔のたこらいすの残りのHPがゼロになって、その身体が黄金の霧となって空に消えていく。カラン、と落ちた聖剣が、再び夜の墓地に静寂を取り戻した。


「……ようやく死んだか。不愉快極まりなかったな」

「……」

「残りは一匹。……お前、余計なことは考えるなよ。大人しく死んで、さっきの雑魚と仲良く反省会でもしてろ」


 数多の目線が俺に向かう。無機質な殺意と敵意が俺の手足を貫く。それらが俺の手足から再び力を奪う前に、左手で口元に触れた。……酷い顔付きだ。恐怖で歪んで、見れたものではないだろう。

 ぐるぐると渦を巻く脳内で、混濁した記憶の海から幾つかの言葉が浮かび上がる。


『そりゃあ、お兄さんがミスしたりボコられるなんて思ってないけどさ――まず一番は、楽しんでほしいなって』

『ほんのちょっとだけ、肩の力を抜いてさ……目の前のモノを楽しんでいこうよ。そんで、楽しんでる間に優勝しちゃいましたってなったら、マジ最高じゃん!』


「楽しんで、か……」


 ずっと、ずっとお前はそう言っていたな。俺にはそれが出来ない。それをする資格が無い。そう思い続けてきた。


『君は――ゲームを、楽しみたくないのだな』

『私には君に何があったのか分からない。けれども……せめて、笑顔で私達の先に向かってほしい。勝者がそんな顔をしていては、私達は浮かばれないよ』


 もう無理なのだと思っていた。俺がゲームに対して感じるのは義務感と焦燥感。あるいは恐怖だけだと割り切っていた。

 けれども……もう一度。もう一度、それが出来るのなら。


「……お前、可笑しくなったのか?」


 左手で口の端を押し上げて、笑みを作る。周囲を分身に囲まれ、仲間は死んで、状況は最悪。そんな状況で笑おうとする俺に、グッドナイトが狂人を嘲笑うような声音で言った。

 おかしくなった……まあ、そうかもしれない。何が楽しいものか。相変わらず、怖くて仕方が無い。


 ――それでも、お前が『楽しんで』というのなら。他ならない仲間が、そう背中を押してくれるのなら。もう一度、これが最後になったとしてもいい。


 もう一度だけ、『ゲーム』をしよう。本気で楽しもう。こんな俺を最後まで信じ続けてくれた仲間のために。俺の大立ち回りを期待して、いつも通り前を向けると言い切ったたこらいすの言葉に、応えるんだ。


(思考を切り替えろ。戦うとか、勝つとか、負けたらとか、そんな言葉を全部捨てろ。それで……肩の力を抜いて、目の前のものを楽しんでいこう)

 

 恐怖に向かい合う勇気は得た。逃げずに立ち向かう意思もある。なら、最後に足りないのは楽しむ心だ。ピースの足らないパズルに、無理矢理別のものを押し込んで……いつかのように、獰猛に笑う。


「……なんだ、その顔。まさか、勝つ気で居るのか?多少腕が立つからって――」

「そっくりそのまま、言葉を返すぜ」

「……ぁ゙?」

「お前……まさか勝つ気で居るのか?俺に?この俺に?」


 こめかみが熱い。頭の中で、ザワザワと沢山の声が聞こえる。それらを全部無視して、ただただ笑った。


「口だけ達者な『鏡』に、この俺が負ける訳無いだろ」

「ッ……!?」


 昔の悪癖だ。散々に叩かれてきたから、もう止めたつもりだった。けれども、今の俺にはこれが必要だ。グッドナイトから向けられる殺気が捻じくれて、倍々に憎悪が膨れ上がっていくのが分かる。どうやら怒りが振り切って言葉も出ないようだ。

 相変わらず、どうしようもないほどに恐ろしいその姿に向かい合って、だらりと佇む。


 頭の中の声はいつの間にか消えて、澄んだ思考が脳にインプットされていく。落ちていたものが拾い上げられて、頭の中の破片が組み合わさっていく。いつの間にか手足に絡みついていた『硬直』が砕けて、久々に自由な感覚が戻って来る。


 そうして一呼吸と瞬きの後――表舞台から姿を消していた『全世界一位ゼンイチ』が、夜の墓地に舞い降りた。

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