ハグルマビーチの時計台〜ハリー君の誕生日のお話〜(一話完結)

Mikoto@飼い主

ハグルマビーチの時計台

あるところに、

内気なサーヤと

おてんば娘のアイリーンと

心優しいエイミー

という三人が暮らしていました。


三人は街の中心にある

古い時計台の管理をしていました。


ある日の事、

長い年月を刻み続けてきた

その時計台の動きが止まってしまいました。


すると、

次から次と街の人達に

悪い事が起こり始めました。


三人はどうする事も出来ず、

ただ怖くて仕方がありませんでした。


ある日の事、

サーヤがビーチを歩いていると、

島へ迷い込んだハリー君と出会いました。


ハリー君は、時を戻す事が出来る

不思議な時計を持っていました。


サーヤはその時計を見て、

「その時計で止まった時計台の時計を

元に戻す事は出来ないか」

とハリー君に相談しました。


すると、

困っているサーヤを助けてあげようと

ハリー君はそれをやってみる事にしました。


その時計は本当に不思議な力を持っていました。

ハリー君が時計台に登り、

止まった大きな時計に、

持っていた時計をかざし、

おまじないをかけると、

なんと不思議な力が働いて

古い時計は逆回転を始め、

元の時間に戻ると逆回転は止まり、

再び時間を刻むように直りました。


そして、街の人達も元通りになっていました。


街の人達はハリー君に感謝しました。

ハリー君も街の人達の喜ぶ顔を見て

とても喜びました。

街の人達は何かお礼がしたいと言いました。

何か欲しいものはないかと聞きました。

ハリー君は何もいらないと言いました。

ただ、ないものと言えば、

自分には誕生日がないと言いました。


すると、サーヤが

「私の誕生日をあげる」

と言って、

ハリー君に誕生日をプレゼントしました。

そして、街の人達は、

感謝の気持ちを込めた勲章をプレゼントしました。


それからというもの、

あの古い時計台の時計は、

いつまでも、いつまでも、

時を刻み続けたそうです。


おしまい

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