第1話 全部バツのせい

私には無数の傷跡がある。

それは、自分を傷つけたことで出来たものがほとんどである。

でも、周りが思うほど深い傷跡でもない。

少し切ってしまった程度のものだ。

放置していれば自然治癒されるだろう。

そんなものなんだ。

誰にも知られることはない傷跡だ。

私が自分でその傷跡をSNSで公開しない限り、誰にも分かるものではない。

ただ夏場は気をつけた方がいい。

不自然な傷跡に不自然なバンドエイドを貼るとそれは隠していた傷跡だと親にバレるからだ。

私は一度バレ、母から怒られるわけでもなく、諭された。

ただ諭されたからと言って、私の傷跡が消えるわけでもなかった。

私の傷跡は今も残っている。

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