第1話 西<1>

「ねえ男子たちいないし恋バナしようよ!」


と言った掛け声も特になく、突然恋バナは始まる。

高校生にもなって、、、と胸の内では思っているが、情報収集は大切だ。

「ねえ愛ちゃんは誰が好き?」

「うーん、特にいないかな」

じゃないんだよ。

「ちょ美希ぃ、愛さんはウチらとレベルが違うんよ、マドンナがそこらへんの男子猿ども相手にするわけないじゃん」

「そっかあ、でもさ、さすがの愛さんだっては気になりますよね?」

四天王その言葉に一瞬体が強張る。

身体から火が出そう。

私は

好きで好きでたまらない。

でもそんなこと言えるはずがない。

私は完璧マドンナなんだから。

この恋バナだって、ライバルの品定めをするために聞いている。

「え〜何それ?聞いたことないわ」

「ほら美希、やっぱレベルが違うって。ウチらがアホみたいやわ」

アホじゃなくてアホなんだよ。

「さっちゃんの言うとうりだわ。なんか悲し。

あっっっっっ!!ふみちゃーん!!」

美希アホが手をブンブンふる。

いや、ふったと思う。

だって私は見ていないから。

小さく手を振り返す、

恥ずかしげにはにかんだ、

可愛い可愛い西嶋君将来の彼しか見ていないから。

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