わたしは

ひるなかの

わたしはずっと思ってた。


わたしの家はここではないんじゃないか。


お父さん、お母さんはクラスメイトに比べてやさしいけど違う気がするし、

ここは緑と青に囲まれたド田舎だ。



どうして私は学校に行かないといけないんだろう。


どうしてここに とまっているのだろう。


もっと広いところがあるのに。



同じことばかり。




「あ」


今日はツキが丸い。


わたしはこんな時 月を見ると落ち着く。

まるで何もない砂漠みたいだ。



背景が赤色だったらもっと良いのに。





そう思ったらまた目が痛くなった。

うまれた時から目が痛くなることがよくある。



どうして痛いんだろう。



このセカイには謎がいっぱいだ。


「え」



また空を見上げると星とは別の光がわたしに近付いてきた。


そして近付いてくるにつれて、わたしはただの光だけでなく目と頭の大きい人がしゃべりかけていることに気が付いた。


その人の言葉は超音波のように高い音で聞き取れなかったが、しばらくするとわたしの耳が慣れたのか聞き取れるようになった。




「チョウサ  ゴクロウ  ジュウサンゴウ。  オマエノ  チョウサキロクハ 

 コンゴノ  ワガホシヲ  ネラウ  チキュウジンノ  ケンキュウニ  ツカワセテ  モラウ。 サア  カエロウ」





わたしはそれを聞いて思わず笑みを浮かべた。


ああ、そうだ。わたしは―















宇宙人だった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

わたしは ひるなかの @hirunakan0

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

同じコレクションの次の小説