絵葉書
ゴロゴロ卿
絵葉書
振り向くとそこにはホワイトボードに張り付けた一枚の絵葉書
学生時代、留学先の観光ガイドのバイトでご夫婦をご案内した際の思い出
……
私に代わって観光案内までこなしてくれる奥様のおしゃべりに、楽しそうに耳を傾ける言葉少ない旦那様。その旦那様が短く一言。
「それにしても暑いですね」
「今年は残暑が酷いですから。地元の人間も音を上げていますよ」
「あらあら、日本はまだ冬ですよ。本当にここは季節が逆なのですね」
……
何の因果かあの時ご案内したご夫婦に帰国してからお世話になっている。
今日は別れ際に手渡された絵葉書をお土産にお二人を訪ねる。
ボードから外して手に取れば夏の日差しに照らされたオペラハウスはいかにも暑そう。裏を返せばたった一言。
この冬の残暑は酷かった
絵葉書 ゴロゴロ卿 @Lord_Purring
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます