第2話 愚者、正位置
灼熱の白い太陽が辺りをギラギラと照らす。
緑色の古着をまとった謎の男が白い薔薇を片手にふらふらと歩いている。
生ぬるい風がまとわりつき、服の裾をゆらゆらと揺らした。
「んー、ふふぅ、暑いねぇ。おいらは自由なのだー」
彼は歌いながらテクテクと歩いていた。
「わんっわんっ!」
「おー、ワンちゃんかわいいねー!よしよしよしよしー」
何かを訴えようとしているが謎の男にはわからない。
「わんっわんっ!んーわん!」
しつこくつきまとい、吠え続けている。
「君も旅に出たいんだね!わかった!仲間にしよう!おいで!」
「がるるるるるッ」
視線の先には崖があった。
「この先は危ないって?行ってみなきゃわからないじゃないか!もしかしたら、お宝が眠ってるかもしれないよ?」
謎の男は犬を両手に抱きしめ、崖から飛び降りた。
ぽふぅっ!
謎の男の体を受け止めたのは白い花が咲き乱れた花畑だった。
「ほら、危なくなかったじゃないか。心配症だなあ」
「きゅーん」
「そこにいるのは誰?」
《愚者》
0番のカード。
-象意-
自由 警告 純粋 周りが見えていない
チャレンジ精神 根拠のない自信 話を聞かない
もし、タロ。ーもしもタロットに意志があったら?ー 夜人(らいと) @Leica_camera
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