第147話 期末試験も終わったし一部を除けばもう夏休み気分だな
さて、文ちゃんと浴衣を買いに行って、七夕祭に参加して屋台を見て回っては買い食いをしてきたが、やっぱり祭りは楽しかったな。
そして週が開けて学校が始まるが、期末テストも終わったことで多くのクラスメイトの気分はもう夏休みだ。
まあ、中には”もうだめだ、おしまいだぁ”と真っ青な顔で頭を抱えてる奴もいるが、おそらく授業の内容が理解できないままにして、ここまできてしまったんだろう。
高校や大学などでは入試でたまたまいい点をとってしまったがために、学校には入学できたが、その後授業についていけなくてかえってつらい思いをするということも、実は少なくなかったりする。
とはいえ高校は赤点をとっても補習や追試を受ければ、簡単に留年やら退学になったりはしないが、一学期の期末テストが赤点だと、時期的に補習が夏休みになるのは精神的にきついしな。
まあ、公立の進学校では、夏休みに強制的に全員参加の強制補習がある学校も少なくないようだが、うちはそこまで厳しくはないので助かる。
進学校の高校は”うちは受験対策に力を入れています”というアピールをしたいという思惑があったり、特に田舎では塾よりも学校の方が重要だという印象付けをしたいということもあるらしいが、大人は汚いよな。
そしてニコニコしながら
「いやあ、あたしも中間テストの前までは理数系教科は全然分からなくてかなり危なかったけど、はたぴっぴに勉強教えてもらえて助かったよ。
はたぴっぴさまさまーだね。
それに期末テストが終われば夏休みまでずっと午前中だけの4時間授業だし」
俺はそれに対して苦笑しつつ答える。
「まあ、基本的には勉強は基礎の積み重ねだし、高校1年の一学期までの勉強の範囲なら、わからなくなったらどこでつまずいてるのか、中学も含めてちゃんと確認して、わからないままにしないで勉強をやり直せばだいたいはなんとかなるんだよ。
高校までは基本的にすでにわかってることを習うだけだしな。
大学になると必ずしもそうじゃなくなるけど。
1学期の期末試験以降の授業は、普通に2学期中間試験の試験範囲だからあんまり授業を進めてしまうと生徒が忘れる可能性が高いし、先生たちは試験の採点や成績を確定させて通信簿をかく時間も必要だしな。
この時期の午後の授業時間は、一年の中でも特に暑い時間帯で午前中だけの授業にしたいっていうのもあるかもしれないけど」
俺がそういうと東雲さんは嫌そうな顔をして机に突っ伏した。
「あー、高校だけじゃなく大学まで勉強しないといけないんだよねぇ。
かと言って大学に行かないっていうのもちょっと無いし」
俺はそれにうなずいて言う。
「まあ、今のご時世だと高卒で就職は厳しいよな。
昔は工場で働くとかでも正社員で年功序列の終身雇用でボーナスもたっぷり出たからそれで十分だったらしいけど」
俺がそういうと
「いやいや、それっていつの話よ」
「ん、1960年代とかかな?」
「いくらなんでも昔すぎる!」
「まあね。
今じゃ高卒だと工場ですら正社員じゃない派遣社員やら期間工だったり、正社員でも安月給だったりだからなぁ。
そもそも60年代だったら女の子は高卒で家事見習いからのお見合いや、短大卒で就職しても数年でお茶汲みしたら寿退社して専業主婦が普通だったと思うし」
「あたしもそんな時代に産まれたかったなー」
「まあ、その代わり家電も自家用車もマイホームも高嶺の花とかだったはずだけどな」
「それはそれでなんだかなぁではあるね。
なかなかうまくは行かないなぁ」
「当然だけどスマホもパソコンもネット環境もないし、固定電話も電話代金がバカ高いから離れた場所に対しての連絡手段は手紙や電報とかだったんだけど」
俺がそういうと
「それはやだなぁ」
「まあ、あんまり先のことを考えすぎても仕方ないし、今は夏休みのことでも考えておけば?」
俺がそういうと
「りょ。
そういえば夏休みの宿題はちゃんと教えてくれるんだよね?」
「ああ、夏休みの予定はちゃんとメモしてるから大丈夫だよ」
そういったら
「ホタル観賞、今から楽しみです」
俺はうなずく。
「ホタル観賞ができる期間は短いからね。
ヘイケボタルだと7月の終わりから8月の始まりくらいしか見れないところが多いし、当日は晴れてほしいよな」
「確かに雨降だとホタルを見れないかもしれないですから晴れてほしいですね」
そして
「ワタシの家族と一緒に山でキャンプするコトモ忘れないでクダサイヨー」
「大丈夫、大丈夫忘れてないよ」
「日本の夏は暑いノデ涼しい山の中デテントを張って、釣りやカヤックとか川下りをしたりしたアト、熟成した肉でバーベキューを行うのはきっと楽しいデスヨー。
まあ、調理するのはパパですケドね」
「アメリカのバーベキュー料理だとお父さんがホストをして4時間とか6時間掛けて炙り焼きや燻製をする場合もあるんだっけ?」
「そうデース。
熟成したBrisketノブロック肉を時間をカケテ、炙り焼きスルト、トロトロの、柔らか~いお肉になりマース。
まさに口に入れるとお肉が溶ケルんデスヨ」
「アメリカ式のバーベキューの肉は食べたことがないから、すごく楽しみだよ」
そして
8月の後半は
文ちゃんの家族と海に出かける予定もあるし本当に忙しくなりそうだ。
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