第129話 剛力君との買い物

 さて、文ちゃんとのバラ園でのデートは大成功だったと思う。


 そして明日は剛力君と一緒に広瀬君の誕生日プレゼントを買いに行く予定だ。


 俺は家について、食事と入浴を済ませてた後に自室ですこし落ち着いたところで剛力君へメッセージを送る。


『剛力君こんばんは。

 明日の買い物の待ち合わせ場所と時間だけど、船橋駅の改札前に朝10時でどうかな?』


 メッセージを送信してからしばらくして返信が戻ってきた。


 やっぱり女の子の返信速度が異常に速いんだなとこういうときは感じるな。


『こんばんは秦君。

 うん、僕はそれで問題ないよ。

 じゃあ、明日はよろしくね』


『こちらこそよろしく』


 とりあえずこれでいいかな?


 そして翌日。


 日曜日の朝は学校もバイトもないので少し遅めに起きたが朝食をとったり、身だしなみを整える時間は十分あるので、待ち合わせ場所には15分前には到着できた。


 のだが剛力君はすでに待ち合わせ場所に到着していて、腕時計を見ていた。


 俺は小さく手を上げつつ剛力君に声をかけた。


「ごめんもしかして結構待ったかな?」


 俺が声をかけると剛力君は顔を上げて同じように小さく腕を上げた。


「ううん、僕も今さっきついたばかりだから大丈夫だよ」


 ん?


 なんかこういうやり取りは昨日に文ちゃんともやった気がするぞ。


「それでプレゼントを買うとしてどんなお店に行くのかな?」


 剛力君がそのように聞いてくるので俺は答える。


「そういうのも剛力君と相談したいところなんだよな。

 広瀬君って割りと何でもそつなくこなすからね。

 とはいえスポーツよりは勉強のほうが優先度は高そうに見えるけど」


 俺がそういうと剛力君はうなずいていった。


「確かに球技大会でもバレーボールはかなり上手だったし、テストの成績もいいみたいだし、広瀬君は割りと何でもそつなくこなすね。

 でも確かにスポーツよりは勉強のほうが優先度は高そうだね」


 どうやら剛力君の見立ても同じみたいだな。


「だとすると文房具かな。

 じゃなければスマホケースとかパスケース、財布、あとはハンカチみたいな誰でもつかうような身の回りの品物かな」


 俺がそういうと剛力君は困ったように言った。


「うーん、そうすると結構選択肢があるよね」


 俺もちょっと困りながら言う。


「そうなんだよな。

 予算的にどの位の値段のものを贈るのがいいのかってのもあるし。

 だけど今日一日時間はあるし文房具店や雑貨屋なんかを見て回って実際の品物や値段を見てよさげな物を選んでみようぜ」


 俺がそういうと剛力君はこくっとうなずいて言った。


「うん、そうだね」


 それから俺は少し考えて言う。


「とりあえず西部デパート別館のロストに行ってみようか。

 あそこなら文房具も雑貨もあると思うし」


 俺がそういうと剛力君は感心したように言う。


「なるほど、確かにロストなら文房具も雑貨もあって、結構売り場も広いしいいかもしれないね。

 さすが秦君」


「いや、ほめられるような事でもないけどな」


 買い物ならららぽーとでもいいんだが、あっちは服がメインで文房具や雑貨のショップは少ないから移動効率が悪い。


 後は知り合いの女の子にばったり会うのもちょっと気まずい気がするしな。


 というわけでてくてく歩いて西部デパート別館のロストへ到着。


 ロストの文房具売り場は結構広くていろいろな文房具が売っている。


「あ、こういうのが一本あると便利かも?」


 俺が手に取ったのは書いたものを消すことができるフリクションボールペンだ。


 俺の言葉に剛力君は同意して言う。


「確かに消せるボールペンがあると何かと便利かもしれないね」


「まあ、ちゃんとした書類とか郵便物とかに使うとまずいことになることもあるみたいだけどな」


 俺がそういうと剛力君ははっとしたように言う。


「なるほど、確かに書いたものが消えたら困る場合もあるよね。

 そのあたりはプレゼントを渡すときにちゃんと言っておけばいいんじゃないかな?」


「確かにそうだな。

 まあこれは買うとして、二人で買ったのがこれ一本なのもちょっとしょぼすぎる気がするし、もう少し見てみるか」


「そうだね、もうちょっと見てみようよ」


 というわけでもう少し見てみることに。


「ノートやルーズリーフは必要なら自分で買うだろうし、プレゼントに送るようなものじゃないかな」


 俺がそう聞くと剛力君は少し考えた後言う。


「う-ん、そうだね

 誕生日プレゼントとして送るにはちょっとないかなって思う」


「だよな」


「あ、この黒赤の二色とシャーペンが一緒になった多機能ボールペンとかよさげじゃないかな?」


 俺がそう聞くと剛力君は少し考えた後言う。


「そうだね、広瀬君は重要な部分を赤線でマークしたりするし、赤いボールペンがあっても無駄にならないんじゃないかな?」


「ああ、四色ボールペンって青とか緑はほとんど使わないもんな。

 まあ、工夫次第だとも思うけど」


「たしかにそうだよね。

 あ、このペンケースもいい感じじゃないかな?」


 そういって剛力君が手に取ったのは省スペース設計のペンケースで、スタンドタイプにもできるらしい。


「たしかに、今はカフェとかで勉強したりすることもあるから場所をとらないこういうペンケースもありかな。

 全部あわせて2400円くらいなら予算的にもいい感じだと思うし」


 それを考えると万単位の服を普通に買ってくれる弥生ちゃんは金銭感覚がおかしいという気もするがmあっちは自宅から通学してる大学生で収入もそこそこあるからできるんだろうな。


「じゃあ、これを誕生日用にラッピングしてもらえばいいのかな?」


「そうだな、普通に紙袋で包んだものを渡すよりはラッピングしてもらったほうがいいかもな」


 というわけでペンケースと多機能ボールペン、フリクションボールペンを持ってレジへ。


 そして、レジにいたお姉さんへ俺は言う。


「すみません、これ誕生日プレゼントで送るものなのでラッピングしてもらえますか?」


「わかりました、彼女さんへの贈り物ですか?」


「いえいえ、クラスメイトの男友達用なのでそれらしいラッピングでお願いします」


「あ、はい、ではそうしますね」


 なんかお姉さんは剛力君が俺の彼女だと勘違いしてるような気がするんだが……まあ、誤解を解こうとする意味もあんまりないしいいか。


「お買い上げありがとうございました」


 そういってニコニコしながら俺たちを見送るお姉さん。


「あはは、なんか勘違いされたかもしれないね」


 剛力君が苦笑してそういう。


「まあ、俺も一番最初は勘違いしたから人のことは言えないけどな。

 それに今はテレビドラマでイケメン俳優が女装しても特に違和感とかない時代だしな。

 普通にメンス用のエステや化粧品もある時代だし」


 俺がそういうと剛力君は驚いたようにいう。


「え、僕ってイケメンだと思われてるの?」


「少なくとも剛力君の顔はめちゃくちゃ顔はいいと思うよ」


 割と性別不明気味ではあるんだけど、実際ルックスはめちゃくちゃいいんだよな。


「そ、そっかぁ」


 となんか照れている剛力君だがもしかして自覚なかったのかな?


 ともかく剛力君と一緒に買い物をして大正解だったと思う。


 クリア


 今週日曜日:剛力君と買い物


 予定


 6月25日:広瀬君の誕生日


 来週日曜日:皐月おばさん&弥生ちゃんに洋裁を教わる


 未定:西梅枝さいかちさんと買い物


 7月10日:東雲しののめさん誕生日


 7月21日:新發田しばたさんと小規模同人イベントに参加


 7月29日:西梅枝さいかちさんとホタル観賞


 8月1・2・3日:文ちゃんと海


 8月5・6・7・8日:九重ここのえさんと山でキャンプ


 8月10日:文ちゃんの誕生日


 8月のお盆:白檮山かしやまさんとコミケ1日目2日目に参加


 8月20日:中垣内なかがいととプールデート


 8月23日:南木なみきさんと水族館デート


 8月26・27日:弥生ちゃんとTDR


 7月末と8月末:東雲しののめさんと宿題

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