第123話 国語の科目の古典は国語と英語を合わせたような勉強の仕方かな

 さて、家庭科部の実習でハーフパンツを作ってみたが手間はかかるが結構面白いものだとは感じた。


 同じようにトートバッグを作っている西梅枝さいかちさんも同様に洋裁を楽しんでいるようだ。


 そして明日は中垣内なかがいととの動画撮影だが、そろそろ期末テストの勉強を始めないとな。


 中垣内なかがいとはあまり国語が得意ではないようだが、アメリカからの帰国子女である九重ここのえさんはもっと苦手なんようだ。


 まずは中垣内なかがいとに確認のメッセージを送る。


『こんばんは。

 明日の動画撮影は期末試験対策の勉強にしようと思うけど、今回は古典でいいかな?』


 メッセージを送ってしばらく待つとメッセージが返ってくる。


『うん、こっちからお願いしようと思ってたからそれでお願い』


『了解、じゃあまた明日な』


『またね』


 そして九重ここのえさんにもメッセージを送る。


『こんばんは。

 明日の放課後中垣内なかがいとさんと、動画の撮影をしながら国語の勉強をするつもりなんだけど、九重ここのえさんも一緒にやる?』


 メッセージを送ってしばらく待つとメッセージが返ってくる


『もちろん参加します!』


『りょ、了解。

 じゃあ、明日の放課後はよろしくな』


『こちらこそよろしくお願いします』


 で、翌日の放課後の動画撮影はいつもの通り家庭科室で行う。


 ノートパソコンやカメラなどをセットし、国語の教科書や、国語の辞書、古典単語の辞書、学校で配布されたプリントに加えて英語と日本語の絵本などを用意する。


「んじゃま、そろそろ撮影に入るぞ」


 俺の掛け声に二人はうなずく。


「はーい」


「了解デース」


 準備はできたようなので、撮影を始める。


「よし、じゃあ始めるか。

 さてさて、童貞のケンジと」


「処女のオトメのコンビにくわえて」


「帰国子女の新人ロティでおくる」


「グダグダ高校デビューチャンネルー。


 さて、今回は期末試験対策について。

 今回は国語の科目の一つ古典だ」


 そこで中垣内なかがいとが言う。


「古典ってわかりづらいよね」


 そして九重ここのえさんも言う。


「日本語ムズカシイデース」


 俺は苦笑して答える。


「まあ、日本語は結構特殊な言語らしいからな。

 アメリカから来たばっかりのロティにはきついだろうから、まず簡単なことから始める。

 そのためにはまずこれを読んでくれ」


 俺は用意した英語と日本語の絵本を九重ここのえさんに渡す。


「ロティはこれを声を出して読んでくれ。

 国語の現代文は、文章を読み取れる能力を作るのが大事だな。

 なので、文章を声を出して読むのが有効だが、ここは簡単な奴からってことで英語と日本語で同じ絵本を用意した。

 日本語のほうを読もうとしても意味が分からなかったら、英語のほうを読んで意味を理解してほしい」


 九重ここのえさんはにこにこしながらうなずいた。


「ナルホド。それなら私にもわかりそうデース」


「で、オトメは古典の教科書を読むだな。

 古典は言語の勉強だから、英語の勉強法と同じように考える方がいいんだが、残念ながらわかりやすい絵本とかはない」


「そうよねぇ」


「だが古典は見た目は複雑でも、実際は得点が稼ぎやすいんだ。

 古典が苦手だという思い込みがあると、勉強が後回しになりがちだからな。

 まあ、逆に古典も日本語なんだから別に勉強は必要ないだろうってなめてるのもだめだが」

 

「確かに苦手意識があるとなかなか勉強が手につかないわよね」


「ますは現代文と同じように教科書一番最初の範囲の小説文章を10分を合計20~30回音読する。

 そして意味が分からない言葉や漢字が出てきたら、必ず辞書を引き言葉と意味をノートに書き留める」


「現代文や英語とやり方は同じね」


「そういうこと。

 まずはわからない場所がどこにあるのかを抜き出して単語や言葉の意味を覚えるのが大事だ。

 そうしたうえで文章を読んで、その文章からどう意図があるのか、どういうことを伝えたいのかという、その文章の作者やテストを設問する教師などがさせたいこと、つまり文章を論理的に読み取れるようになるのが大事ってことは現代文と同じだ」


「なるほどね」


「で、古典文章は一見すると、日本語で書かれているので、単語の暗記をわざわざしなくても読めそうに思える」


「まあ、そうよね」


「しかし今でも使われている単語でも意味の違うもの、

 あるいは今では使われていない単語も多いし、今と異なった意味の単語も多い。

 だから文章を読んでみて意味が分からなかったら、その部分の単語や文法を抜き出して辞書で調べて覚えるのが大事なんだ」


 言語系の勉強は基本は同じようにやるのが一番いいようだが、これであってるのか文ちゃんに後で確認しておいた方がよさそうではあるな。


「なるほどね。

 じゃあやってみるわ」


 こうして二人は音読を始めた。


 しかし中垣内なかがいとは首をひねっている。


「うーん、なんだか意味が分からないのだけど……」


「現代文と古典では風習や価値観が多く異なっていて、しかも、古典では文章が省略されることが多いからな」


「たとえば「他人が夢に出てきた」という描写があれば、現代人は「自分がその人を好きなのだ」と思うはずだ」


「まあ、そうよね」


「しかし、奈良時代の万葉集では「相手が自分を好き」と解釈している」


「え、そうなの?」


「まあ、この時代だとそもそも文章を残せるのはかなり身分が高い人間だけだしな」


「なるほど、だとするとその文章がいつの時代に書かれたものなのかも覚えないといけないのね」


「そうなるな」


「鎌倉時代の新古今和歌集だと、比較的現代人に近い感覚になってくる。

 このあたりだと文章を書く人間の身分もごく一部に限られるわけではなくなってきたんだろうな」


「そうすると覚えるのが大変よね」


「とはいえ高校の教科書や大学入試でよく出る文学作品は限られてるからな、源氏物語、伊勢物語、徒然草、枕草子といった平安文学が大半だ」


「それならまだましかしら」


「だいぶましだと思うぜ。

 あと古典は主語や目的語を省略するのが当たり前だから注意だ」


「なんで?」


「これも書いてるのが身分の高い人間だからだよ。

 だからそういう省略も含めて誰が、誰に、何をしているかと読み取っていくのが大事だ」


「なるほどねぇ」


 ちなみに九重ここのえさんは英語と日本語の絵本を見比べつつ、日本語の絵本の音読をしている。


「そっちはどうかな?」


「同じ内容の絵本を読むと意味が分かって助かりマース。

 小さい頃に読んでいた絵本デスカラ英語のほうはなくてもなんとかなりそうデスガ」


「何とかなりそうならよかったよ」


 やがてタイマーが鳴ったので俺は二人に声をかける。


「よし、時間だ。

 どうだ、やってみた感想は」


 まずは中垣内なかがいとが答えた。


「うん、まだちょっとわからない部分もあるけど、なんとなくわかった気がする」


 そして九重ここのえさんも答えた。


「ハイ。

 これなら何とかなりそうデース」


 という感じで、今回は国語の主に古典の勉強方法について、役に立ちそうなアドバイスの動画をとったが、二人の反応は割とよかったから何よりだ。


[完全に]ケンジのハーレムちゃんねるについて語るスレ[美少女ハーレム?]


 1:名前:名無しのお兄ちゃん


 ここは自称高校デビュー、ユアチューバーのケンジのハーレムチャンネルについて語るスレです。


 40:名前:名無しのお兄ちゃん

 今回は期末テスト対策で古典か……。


 まあ、あんなかわいい女の子たちに教えるなら一生懸命にもなるよな。


 41:名前:名無しのお兄ちゃん

 >>40


 まあ、それはわかる。

 しかし、テスト対策の勉強方法を割とわかりやすく教えてくれるのは結構助かるぞ。


 42:名前:名無しのお兄ちゃん

 >>41


 ああ、確かにケンジの高校デビューちゃんねるは、結構役に立つときはあるよな。


 43:名前:名無しのお兄ちゃん

 >>42


 確かになんだかんだでアドバイスが役に立つときはあるよな。

 立たないときも多いが。


 44:名前:名無しのお兄ちゃん

 >>43


 まあ、ケンジと同じように高校デビューできる奴はそういないだろ。


 45:名前:名無しのお姉ちゃん

 >>44


 俺もそうおもうよ。

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