第93話 練習の最中に南木さんを押し倒す形になっちまったがもちろんわざとじゃないぞ
さて、明日に迫った球技大会に向けて、昼休みにメンバーでの練習。
体育館のバレーボールのコートやバレーボールを借り、ポールを立ててネットを張り実践に近い形式での練習だ。
「もう時間もあんまりないし、今日はサーブ、レシーブ、トス、アタックとブロックをつなげていけるように、2対4に分かれて実践に近い形で練習したいと思うけどどうだろう?
具体的にはサーブをするサーバーが一人に、レシーブを受けるレシーバーが二人。
トスを上げるセッターが一人。
そのトスをスパイクするアタッカーが一人にそれをブロックするブロッカーが一人。
できれば俺はレシーブの練習からしたいと思う。
サーブもまともに拾えないとゲームにならないしな」
俺がそういうと
「おっけー、なら私にサーバーは任せておいてよ!」
そして
「わ、私もレシーブの練習からしたいです!
セ、せめて本番では皆さんの足手まといになりたくないですし……」
その言葉に
「おー、そのいきそのいき、やるきだねぇ」
その次に手を挙げたのは
「じゃあ私はセッターをやるからそこの二人はちゃんと私に向かってボールを上げてよね」
「お、おう、ちゃんとセッターにボールを上げるのが、レシーバーの役目だしな」
そして
「あ、は、はい、頑張ります」
「じゃあ僕はアタッカーをやろうか」
広瀬君がそういうと剛力君が言った。
「じゃ、じゃあ、僕はブロッカーですね」
というわけで
ちなみにバレーボールのコートは大きさは長辺18メートル、短辺9メートルの長方形で、それを2つに分けているため、自軍のエリアは9メートル四方で、これはテニスコ-トとさほど変わらないから守備範囲は広くないが、その分守備でお見合いしたり、かち合ったりする可能性は高いから気を付けないとな。
この場合のお見合いとは、選手の間に落ちて来たボールを選手同士がとるのを譲り合ってしまい、結果として誰もとらずにボールがコートに落ちてしまうミスプレーのこと。
本来は6人が入るが、俺は南木さんと二人で、飛んできたボールをレシーブで
「南木さん、俺が取れそうなときはオーライって声を出すようにするねー」
「わかりました」
そして
「いっくよー」
俺と
「よーし来い!」
「はい、どうぞ」
ポイっとボールをトスアップするとパーンという音とともにボールは俺と
しかも、無回転なのかボールの軌道がかなりぶれてる。
フローターサーブの無回転はそこまで珍しくないらしいとは言え、こりゃやばいな。
とりあえず俺が取りに行ったほうがいいか?
俺はボールに向かって走り出しながら声を上げた。
「オーライ!」
しかし、近くで
「え?」
そしてどんという衝撃。
「あいたた……」
「あううう」
俺と
「ご、ごめん!」
「あ、だ、大丈夫です」
俺は飛び起きた後、
「捻挫とか大丈夫そう?」
「だ、大丈夫です。
ねん挫とかはしてないと思います」
「はあ、其れならよかった」
そこでかかったのは
「まったく、昼休みからクラスメイトの女の子押し倒してるんじゃないわよ」
そして
「さっすがはたぴっぴ、てなれてるぅ」
俺は二人に向かっていった。
「おーい、わざと押し倒してるわけじゃないし、手慣れてもないぞぉ」
その様子を困惑したように見ている
いやまあ、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます