第48話 パティスリーの経営や宣伝動画はターゲットの客層を絞るのが大事だ

 さて、お母さんが用意してくれた昼ご飯を食べ終わったら、食器などを洗ってから、さっそく自室に戻って、先ほど撮影した動画の編集を行うことにする。


 小さな洋菓子店では「重点客層」について、きちんとターゲットを決めて、絞り込むのが大事。


 小さな子供からおじいちゃん、おばあちゃんまで老若男女のすべて幅広い客層に愛されるお店を作るなどということをまじめに考えていたら、特に特徴のない店になってしまい、まず客はやってこない。


 ああ、むろんこれは競争相手が全くいない場合はまた別だが、最近はコンビニでも結構うまいスイーツがあるから、そうそう相手が全くいないというのはほぼあり得ない。


 需要の中心となるお客様はどのような層なのかを明確にすることは大事で、男女、年齢層、価値観などをどうするかだ。


 そしてパティスリーアンドウトロワはハンドメイドにこだわる、ちょっと内装がおしゃれな白を基調としたきれいな親しみやすい雰囲気の、昔ながらの下町のケーキ屋さんだ。


 そしてメインのターゲットは若め、具体的には高校生やOL、小さな子供の母親などの10代から20代。30代前半の女性だ。


 人気の店になれば口コミが広がって自然と客層も広がることは多いがな。


 内装はお洒落かつかわいらしい雰囲気で、洋菓子も見た目が可愛いらしいように作られている。


 だから、お店の内装編と商品紹介編では親しみやすさとかわいらしさを優先して訴え、特にロールケーキが人気であるとのイメージも十分入れておく。


「堂島ロール」のヒットでロールケーキも、ケーキの定番になってきているが、この店のロールケーキは本当に安めで美味しくコスパがいい。


 そして、それこそがこの店の売りだからな。


 そして俺のユアチューブのチャンネル視聴者の視聴層ともそこまでは離れていないと思う。


 そして店の内装編、商品紹介編・スタッフ紹介編・お客様の声編の中でも一番大事なのはお客様の声編だろう。


「このロールケーキ スポンジがしっとりしてて、とても上品な感じですね」


 そういう南木さんに中垣内がうなずいて言う。


「クリームも上質で爽やかな感じだよね。

 それに卵のコクもしっかり感じられるしこれで230円なら安いんじゃない?」


 そして弥生ちゃんもコクっとうなずいて言う。


「全体的に甘すぎない感じなのがいいですね。

 スポンジはふわっふわで、きめ細かい感じですし、クリームはミルキーでコクがあるけど、後味のいいあっさりとした口当たりですし」


 そんな感じで三人が本当においしそうにロールケーキを食べているので、あまり編集とかは必要なさそうだ。


 俺は編集を終えるとそれぞれを投稿した。


 食べログでもロールケーキが美味しいと評判になっていたりするので、そっちともリンクしておけばたぶんお客さんは増えるんじゃないかな?


 しかし、テスト勉強があまりはかどらないのは少し考えないといけないか。

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