第26話 ベーグルは発酵時間が短くていいんだよな
さて、放課後になった。
できればアニメ好きらしい
まあ、明日以降の昼休みに、ちょこちょこ話しかけていけばいいか。
とはいえ、
それにしても、今回はボッチおたくからは確かに抜け出せそうではあるが、だからと言って自然と人が集まってくるらしい、パリピウェイ系リア充には俺はとてもなれそうな気がしないな。
もっとも自分がやりたいこと、したいことをちゃんと持っていて、なおかつそれを実行出来れば、周りがどう思おうと、ぼっちのオタクのオタ充やソロ充の方が、ぜんぜんマシという気はする。
逆に、常にびくびくと周りの空気や顔色を窺ってばかりで、自分がやりたいことをできないキョロ充よりはずっといいと思う。
まあ、少なくとも仲のいい男女の友達や先輩たちと家庭科部の部活動をワイワイやるのも、
まあ、世の中は自分を非リア陰キャだと思い込んでいる、リア充も多いらしいけど。
とりあえず、俺、
「私、オムレツを作るの失敗しましたし、ベーグルなんてちゃんと作れるのか心配です」
西梅枝さんが少し不安そうに俺に向かって言った。
「んー、たぶん大丈夫だと思うよ。
フライパンと違ってオーブンのほうが温度や時間の調整はしやすいから、焦げたりすることは基本ないと思うし」
よくクッキーが焦げると聞くが、俺はケーキでもクッキーでも焦がしたことはないんだよな。
まあ、オーブンによっては癖があって、表示されているはずの温度より庫内の温度が高めだったりすることもあるみたいだけど。
「それなら安心ですね」
そして、
「こんにちは、いつも早いですね。
俺がそういうと
「こんにちは、まあ、やっぱり先輩ですからね」
「ある程度、下準備は整えておいたので早速作りましょう」
「あ、はい、ありがとうございます」
「では今日はプレーンなベーグルとトマトベーグルを作ってみましょう。
材料は強力粉、砂糖、塩、ドライイーストにトマトベーグルはトマトジュースを加えます。
あとは好みでゴマやチーズなどを表面につけてもいいですね。
また、ベーグルは生地をゆでるので、そのためにお湯とハチミツを使います」
「へー、ベーグルってお湯で、ゆでるんだね」
俺はそれにうなずいて言う。
「ああ、あのベーグル独特の食感はゆでることで、でるんだ」
そして
「では、
「はい、よろしくお願いします」
そして
「秦君は一人でいいよね?」
「ええ、大丈夫です」
強力粉、砂糖、塩、ドライイーストをボウルに入れ、そこへぬるま湯もしくは温めたトマトジュースを入れて、ドライイーストが溶けるまで少し待つ。
ドライイーストが溶けたら、材料を均一に混ぜ合わせ、水気がなくなり生地がひとまとまりになったら、台の上に生地を取り出し、表面の乾燥を防ぐ為ボウルを逆さにして、5分程置く。
その後、10分程度、台の上で生地をしっかり捏ね、捏ね終わり後すぐに、生地を4分割する。
それぞれを丸め、閉じ目を下にして、乾燥しないように濡れ布巾等を掛け15分おきベンチタイムをとる。
その間に、お湯を沸かし、それにハチミツを入る。
ベンチタイムが終わった生地をオーブンシートを敷いた天板に並べ、オーブンの発酵機能を使って10分発酵させる。
発酵時間はもっと長くとった方がいいらしいけど、あんまりそれで、時間をとられすぎたくもないしな。
発酵が終わったら、オーブンを220℃に予熱しつつ、沸かしておいたお湯にハチミツを加えて溶かし、お湯が再沸騰したら火を弱める。
そしてベーグルの生地の表面を下にしてそっとお湯の中に片面約30秒、裏返して30秒ゆでる。
茹だったらクッキングシートを敷いた鉄板の上に、生地をよくお湯を切って並べ、ゴマを振りかけて、15分ほど焼けばベーグルの完成。
「うっし、できたぜ」
「今日は失敗しませんでしたよ」
あとは焼きあがったベーグルを包丁でスライスしてトマトやレタス、オムレツなどを挟んでもおいしい。
「おれは二つはツナマヨサンドにするか」
俺がそういうと
「あ、それ美味しそう」
「ツナマヨはパンでも、おにぎりでも合うからな。
残りはキウイのクリームサンドだ」
「あ、それも美味しそう!」
「うん、たぶん美味しいけどさ……
「いいの、成長期だもーん」
「まあ、俺はいいけどな。
4人で8個だから、一人当たり2つは食うわけだし」
「やたー」
というわけで出来上がったベーグルを、みんなで食べる。
「んー、このベーグル、もちもちしてて最高っしょ」
「ああ、茹で時間が30秒ずつだと噛みやすくなるけど、茹で時間が長くなるにつれてさらにもっちりになるんだけどな」
「ツナマヨも、キウイのクリームサンドも最高っしょ」
ハムハムと笑顔で食べる
「ん、そりゃよかった」
「
「あ、じゃあ秦君のベーグルと交換しましょうか?」
「あ、それはぜひにお願いしたい」
というわけで
うん、作ったベーグルを女の子に食べさせたり、交換したりなんていうことをやるのも、楽しいものだ。
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