098 マヨラー爆誕
サンデーさんとの打ち合わせも商業ギルドでする。
王都に来る前に「アレクブランド」を確立していこう
これが、近い将来の俺へのサンデーさんのアドバイスだ。
「で、アレク君。シルカから聞いたおもしろい調味料って?」
「サンデーさん、これなんだけどね」
俺はまず、村の茹で芋とたこ焼きをテーブルに載せた。
(レンチンみたく加温してあるよ)
「受付のピーナさんにも来てもらっていい?試食は多い方がいいし」
「いいけど‥」
なんとも不思議な表情のサンデーさんだ。
今日の商談は安定した商材のプレゼン。得意の食品系から考案した(思い出した?)マヨネーズを試食してもらう。
そう、みんな大好きマヨネーズだ。
卵は村のコッケーから。繁殖も順調でたくさん増えたコッケー。今では卵も毎朝100個は産んでくれるのだ。
卵に酢、油、塩を混ぜれば、みんな大好きマヨネーズの完成だ。
容れ物にも凝ったよ。
もちろんスライム瓶の応用でね。マヨネーズといえば、そうチューブタイプのあれ。あの容器を作ったのだ。
アレク印ももちろん付いてる。
(裸のバンザイポーズも考えたけど、悪ノリし過ぎなのでやめたけど)
「食べてみて」
ゆで卵、たこ焼きに恐る恐るチューブを絞って口にするサンデーさんにピーナさん。
「これは‥すごいわ‥」
「ホント‥」
サンデーさんとピーナさんがモグモグしながらうなづき合っている。
「これはいけるわ。さっそく‥」
目がキラキラするサンデーさん。
「これも売れるわ。あーまた仕事が‥」
目がどんよりするピーナさん‥。
(ごめんなさい)
この日、中原にマヨラー第1号、第2号が誕生した。熱狂的マヨラーも爆誕するきっかけとなった。
熱烈的なマヨラーとなった第2号ピーナさんは、何にでもマヨネーズをかけるようになったという‥。
「サンデーさん、俺来年ヴィヨルドへ行こうかと思ってるんだけどどうかな?」
(たぶんサンデーさんは、ミカサ会長から俺の出自を聞いてると思う。でもそんなことをおくびにも出さない。サンデーさんらしいけど)
「いいと思うわよ」
サンデーさんもヴィヨルドを薦めてくれた。
「武のことは畑違いだから私からは言えないけど、ヴィヨルドの海の食材は気になるんだよねー。大海に面しているから海の食材も豊富だし。海洋国からの商材も気になるわ。もしアレク君がヴィヨルドに決めたら、サンデー商会もヴィヨルドに支店を作らなきゃね。でないとおじいさまに怒られちゃうわ」
フフフ。
ニコニコと笑うサンデーさんのヴィヨルド支店構想。案外真面目に考えていそうだ。
ヴィヨルド行きが俺の中でますます傾いた。
次回 異変 11/18 12:00更新予定です
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