第11話 セカドタウン

 森の中をつっきって素材を集めながらやって来たセカドタウン。


 いやー、素材が結構集まったな。

 Eランクのモンスターのが多いけど。

 基本的な材料が足りないな。


 マップを見て魔石屋を探す。

 一つあった。

 そこを目指す。


 中に入るとカウンターに行き声をかける。


「すみません。魔石の買取りってしてますか?」


 カウンターにいたお婆さんに声を掛ける。


「当たり前だろ? 魔石屋なんだから」


「ははっ。ですよね。じゃあ、これらを売りたいんですけど……俺達見たいな探索者は売りに来ますか?」


「いいや、みんなギルドに渡しちまうよ。ランクをあげるためだとか言ってね」


「そうですよね。じゃあ、ここに魔石売りに来るなんて珍しいですよね?」


「あぁ。珍しいね。あんたはランク上げないのかい?」


「ランクには特に興味なくて。それで、この魔石、少し高めに買い取ってくれませんか?」


「んーーー………………そうさね。直接買取なんて珍しいから高めに買おうかね。ギルドから買うと手数料を取られるからね」


 少し考えているようだ。

 少しでも高いといいんだけど。


「Eランクの魔石が十二個だね? これは、一個五千ゴールドで買うよ。Dランクが四つだねこれは、地属性の三つは一個三万、水属性のは五万で買おうかね」


「そんなに!? いいんですか!?」


「今後も売ってくれると助かるからね。少しサービスさ。合わせて二十万さね」


「ありがとうございます!」


 これでまた材料が買える。

 もちろんまだ魔石は残っている。

 罠にも使いたいから。


 雑貨屋に行く。


 スコップとロープ、ゴム等を買い足して更に新しいものがないか探す。


「おっ? 臭い玉みたいなのがあるな……あっ! 挟むやつあるじゃん! トラバサミだっけ? これ使えるな」


 他にも使えるものがないか物色する。


「!? これは……」


 隅っこの方にあったのは鉄線であった。


 これは、罠に使える。

 動いを阻害する時に使えるかな。

 後でレシピを見てみよう。


 あっ。

 油とかある。

 着火剤もある。


 これは、全部買いだな。

 色々と使えるものがあった。


「後は、新しい店に行ってみよう」


 セカドタウンから増えた店がある。

 薬屋だ。

 早速行ってみる。


 薬屋の中に入ると当然ながら薬が並んでいる。

 HP回復薬、MP回復薬、一時的なSTR増強剤などもある。

 強いモンスターを狩る時には便利なんだろうな。


 奥に行くと髑髏マークが付いているコーナーが。俺の目的のもの。毒である。


 ダメージを加算する毒、動けなくする毒、硫酸のように溶かすタイプの毒。

 色々ある。

 とりあえず一通り買うことにした。

 人気がないのか毒は安い。


 ビール瓶位の大きさの瓶一瓶で二千ゴールド。

 破格である。


 よしっ。

 買うものは買った。

 後はゆっくりと罠を作ろう。


 店を出た。

 街を見渡す。

 プレイヤーが多い。


 セカドタウンはおそらく一番プレイヤーが多いのではないだろうか。

 サードタウンが今の最前線らしいから。

 皆色々な装備をしている。


 装備か……流石にこのままだと目立つよなぁ。

 防具屋に行こう。

 と重い移動していると露天で装備を売っている人がいた。


「すみません。プレイヤーの方ですか?」


「あぁ。そうだ。ジグっていうんだ。よかったら見ていかないか?」


「これ、自分で作ったんですか?」


 革鎧や、甲冑のようなものが並んでいる。


「あぁ。甲冑は完全にオリジナル。昔の甲冑が好きでさ、ゲームだと色々物が手に入るし加工できるから作ってみたんだ」


「凄い……」


「あはは。嬉しいな。お兄さん、装備が初期のままじゃない?」


「実は、そうなんだ……。だから、装備を更新した方がいいかと思って防具屋に行くところだったんだ」


 上から下まで俺の装備を見ると「ふーん」となにかに気づいたようだ。


「どうかしたかい?」


「お兄さん、剣士じゃないでしょ?」


「うっ……な、なんでかな? そんなことないけど……」


「だって、革の防具に一つも傷がないもの。さすがに前衛でそんなに無傷では居られないはずだよ? 全然傷んでないし」


「ゲームだからじゃない?」


 苦し紛れにそんなことを言うが。


「ハッハッハッ! お兄さん、このゲームは普通のゲームと違うんだよ? あらゆる事がリアルなんだ。だから、装備も経年劣化もするんだよ?」


「そ、そうなのか……」


「それなのに、この街に来るまで一つも傷を負ってない。実は、凄い魔術師?」


「いやいや。そんな事ないよ。杖も持ってないだろ?」


「うーん。たしかに……」


「まぁ、詮索はそれぐらいにしておいてくれ。俺はソアラ。この革鎧が動きやすそうだから欲しいな」


 値札が付いていて五万ゴールド程であった。


「ありがとうございます! お兄さん、高機動系の職なんだなぁ。さては、レア職?」


「ははは。どうだろうね?」


「参ったなぁ。はい。ありがとうございます! ちょこちょこ店出してるんで、また来てください!」


「うん。また来るね」


 装備を更新する。

 うん。

 なんか強くなった感じする。


 万が一攻撃くらった時の為の保険だからね。

 保険は大事。


 見つけたベンチに座り、罠を作成する。

 ここに来て材料が売っていた為、作れる罠の種類が増えた。


「いやー。使うの楽しみだな」


 すっかり、罠の虜になっている。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る