決戦の時 ~1R目~
エルダードラゴン相手に先制を取った”新米”超英雄たち。
しかし、手番を返せば容易に瓦解しかねないソード・ワールド2.5最強種の魔物を相手にどう立ち向かう…!?
人妻フィリア 「【リブート】をアンタレスにかけます。」
【リブート】
導きの神ハル―ラの特殊神聖魔法。自身の行動権利を1回分他人に譲渡できる魔法。
人妻フィリア 「《ファストアクション》で二回目の主動作をもらいます。《ダブルキャスト》、《魔法拡大/すべて》を宣言して《戦域魔導術アンナマリーア》、《戦域魔導術トルクワート》を使用します。」
《戦域魔導術アンナマリーア》、《戦域魔導術トルクワート》
バトルマスタリーで追加された魔法拡大系の流派秘伝。消費MPを減少させながら魔法を拡大化する無法の業。詳しいデータは好評発売中の『バトルマスタリー』をチェックだ!
人妻フィリア 「まず味方全員に【ブレスⅡ】をかけて全能力値を+6します!《ダブルキャスト》によって魔力-10しながら、半径30mに【バトルソング】をばら蒔きます! 全員の命中とダメージにボーナスを与えます。」
人妻フィリア 「そして補助動作、マルコフに【ヴォーパルウェポン】SSで物理ダメージを上昇させます」
人妻フィリア「最後に手番終了時に
人妻フィリア 「これぞ私が”桜花乱舞”と呼ばれる由縁! さあ、皆さん、存分に舞ってください!」
氷術師クラーラ「では手番をもらいまして……。《魔法拡大/数》と《ダブルキャスト》して、氷属性ダメージを増加させる【フロスト・フィールドⅡ】と5倍拡大【アイシクル・ウェポン】」
GM「おっ、『ファイア・ウェポン&ガン』問題だ」
『ファイア・ウェポン&ガン』問題
Q.『炎属性付与魔法【ファイア・ウェポン】をかけられたキャラクターが撃つガンの攻撃属性は何か?』 というシンプルながら複雑な問い。
弊プレイグループでの裁定は10年以上前のソード・ワールド2.0のQ&Aを参考にA.『ガンには物理ダメージ増加を含む属性変化魔法は効果がない。今後、仮に属性付与を行うが物理ダメージ増加を伴わない(あるいは魔法ダメージ増加を伴う)属性変化魔法が登場した場合には、上記Q&Aに従い、属性を変化させうる』というもので遊んでいます。
今回の場合で言うとアンタレスに【アイシクル・ウェポン】をかけてもそのガンの攻撃は氷属性にならない…ということですね。
氷術師クラーラ 「じゃあアンタレスに【スノウメン】かけるね」
GM「何その魔法、知らないんだけど」
氷術師クラーラ(にやり)「これはね、念願の物理ダメージ増加を伴わない属性変化魔法だよ」
GM「マジで出たの!?」
出ました。事前告知のアナウンスの通り、存在する以上は適用するとしか言いようがありません。
銃手アンタレス 「これでクリバレが氷属性に!!」
氷術師クラーラ 「追加主動作で【フレイム・フィールド】の賦術を使用。氷属性ダメージをさらに5点増加!」
銃手アンタレス 「 なんで【フレイムフィールド】と【フロストフィールド】が同系統の効果なんだろうね……」
氷術師クラーラ「錬金術学会と操霊魔法学会で激しい命名規則の対立がありそうです」
氷術師クラーラ「さて、戦闘前にかけられていたシンボリック・ロアのバフを補助動作で開放し、追加主動作を得ます。【戦域魔導術トルクワート】を宣言し、天候神フルシル様の特殊神聖魔法【ストーム・フレンズ】でさらに味方全体の氷属性ダメージを加速させます!」
氷術師クラーラ 「手番終了時に装飾品〈ラル=ヴェイネの羽冠〉の効果で3分の1の確率で主動作を追加…(ころころ…)よし、もう一回追加行動! 【ファナティシズム】による命中強化を戦士職全員にかけます」
GM「手番が長すぎる」
氷術師クラーラ「何勘違いしてますの?」
GM「ヒョ!?」
氷術師クラーラ「まだゴーレムの行動が終了してないZE!」
氷術師クラーラ「ドラコプラチニジウムがブレスを吐きます。当然属性は氷!!」
GM「流石にエルダードラゴンの抵抗力ならダメージは半減するけど」
氷術師クラーラ「では23点のダメージを半減した後に各種氷属性バフで9点増加します」
GM「ええっと半減して12点になった後で9点足して21点、って抵抗してるのにほぼ満額とおってるじゃん!」
人妻フィリア「 バフの量がヤバ過ぎますね」
銃手アンタレス 「 じゃあアタシかな」
銃手アンタレス 「
風切り布でさらに命中強化」
銃手アンタレス 「 【パラライズミスト】SSで回避力デバフ、対象は胴体!」
氷属性クリティカルバレット1発目、41点。通常行動左手
氷属性クリティカルバレット2発目、48点。通常行動右手
氷属性クリティカルバレット3発目、44点。 ファストアクション左手
氷属性クリティカルバレット4発目、42点。 ファストアクション右手
氷属性クリティカルバレット5発目、45点。シンボリックロア左手
氷属性クリティカルバレット6発目、43点。 シンボリックロア右手
氷属性クリティカルバレット7発目、41点。リブート左手
氷属性クリティカルバレット8発目、45点。 リブート右手
怒涛の氷属性攻撃がエルダードラゴンの胴体部位を1手番(8回行動)で撃破します。
銃手アンタレス 「 何の変哲もない二丁マギシューが、バトルマスタリー環境の氷属性バフを十全に受けられる適解だったんだよね……」
銃手アンタレス 「美しく、儚く散りな。」
竜殺しマルコフ 「では手番をいただこう、バイクで胴体HPが残っている限り攻撃対象にならなかった頭部へ攻撃!」
GM「回避魔法【ブリンク】でそれを避ける!」
竜殺しマルコフ「 騎手の手番。先ずは外バフの確認から。 ディバインウォー、ブレスII、バトルソング、ヴォーパル・ウェポンSS、ファナティシズム 実質命中+8、ダメージ+12」
竜殺しマルコフ 「さらに アイシクル・ウェポン、フロスト・フィールドⅡ、フレイム・フィールド、ストームフレンズ。 氷属性ダメージは+12」
竜殺しマルコフ 「ここから 自己バフ入ります。【キャッツアイ】、【デーモンフィンガー】で命中+2。【マッスルベアー】、【ジャイアントアーム】で筋力由来の物理ダメージ+5」
竜殺しマルコフ 「 そして【アーマーラスト】SSを投げて頭部の防護点を-10!」
竜殺しマルコフ 「構え、フェイタルランス二槍流!!【ファイラステン古流ヴィンド派(双剣の型)】秘伝 《乱風・双手分撃》を宣言し、右手に【アゴウ重鎚破闘術】より全力攻撃II変化型 《轟破・地断ち》、左手に通常の 《魔力撃》を適用。ますは右手で 64点ダメージ! 左手の魔力撃、85点ダメージ」
竜殺しマルコフ「さらにシンボリックロアで追加行動! バトルマスターでもう一度同じ組み合わせで攻撃!」
GM「うおお!よけろドラゴン!よし、ダイス目高い!回避だ、回避!」
竜殺しマルコフ「運命変転でダイス目を反転させて無理やり当てる! 62点! もう一発も絶対に外さない! 自己恩寵を宣言、『この魔力撃にすべてを賭ける!』
85点!!」
GM「えーっと、エルダードラゴンの頭部が落ちました。頭部はコア部位なので他の部位が生きていても強制的にダウンします。新米超英雄の勝ちです」
女騎士ベルリオージュ 「動く前に死んでしまった……」
人妻フィリア「 結論! ベロニカシンボリックロアは禁止が妥当!!」
竜殺しマルコフ 「 何がよくないって行動回数のせいでものすごい数の弾丸がすっ飛んで行ってることだと思うんだがな……」
銃手アンタレス「 ベロニカが悪いよベロニカが。アタシは悪くない」
人妻フィリア 「ふぅ……これで今年の『紅葉狩り』も終わり、ですね」
GM「 エルダードラゴンは再び強固な封印をされます。もう1年は出て来ないでしょう」
銃手アンタレス 「リスポーンキルなんだよなあ……」
竜殺しマルコフ 「かわいそうだな、このエルダードラゴン。百年もこれを続けてるのか…」
氷術師クラーラ 「みなさん、お疲れ様でした。来年もまたよろしくお願いしますね」
銃手アンタレス 「……来年もまたあたし達でやるの?」
氷術師クラーラ 「嫌なら後進を育ててください」
竜殺しマルコフ 「そういうことか……」
銃手アンタレス 「……なぁるほどぉ…………」
人妻フィリア 「じゃあ来年は夫に頼みますかねぇ。一緒に来ても良いかも?」
女騎士ベルリオージュ 「ふっ。来年か……腕を磨いて先に動けるようにせねばな」
銃手アンタレス 「……あたしに誰かの先達なんて、務まるかなぁ」
竜殺しマルコフ 「剣はまた新たなる力ある者を見出すさ。俺たちは待つだけでいい」
銃手アンタレス 「まぁまたあたしが出しゃばったらあのドラゴンがかわいそうだし、できる限りやってみるよ」 いやまあなんかその……すまんかった
人妻フィリア 「ふふ。じゃあ後は帰って、紅葉を眺めつつお酒を飲みましょうか」
女騎士ベルリオージュ 「祝い酒とやけ酒だな……」
銃手アンタレス 「勝利の美酒というよりは、何もできずに再封印されたエルダードラゴンを偲ぶ酒になりそうだけどね……」
~Game Set !~
新米超英雄の”紅葉”狩り 青猫あずき @beencat
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