零5

「れんちゃん、ごめん」


僕とゆーっくり話せるのは零のいないときと寝るときくらい?れんちゃんは零がいると、真面目モードになるからね。


「はい、なんでしょうか?」


れんちゃんは厳しいけど、かわいいとこあるんだぞ?こっちを見たれんちゃんのほっぺをむにーっと引っ張る。伸びるー


「痛いですわ、なにか、わたくしおかしくって?」


とりあえずキスしておこう。


「僕に似て、零はサボりぐせついちゃって…」


「なんですの?それは」


「お稽古に遅刻して、他のことしてる」


「そ、そうなのですか?」


もっかいキスしとく。


「で、僕も昔そうやってさぼってた、部活」


「…そういえば、武は部活にいつも遅れてきてましたわ。…お勉強かと思っておりました」


「お勉強もあったけどー友達としゃべったりーとか?しててさ。それが楽しくて」


「零もなのですか?」


「たぶーん。かわいい近所のまちこちゃん。あの子としゃべるのに夢中さ」


それは近所のおねーさん。零の世話してくれてる女の子。


「そ、それは、恋…ですか?」


「さてさて?小学生にわかるのかなー?」


「あの、わたくし…」


「うん?」


「…」


「れんちゃん?…なに?」


「…なぜ、キスされたのですか?」


「…え?気分…ん?」


「武、わたくしにもっと構ってくださいますか?わたくし…」


「れんちゃん、僕は構いたい。けど、れんちゃんが頑張ってるとこに水をさしたくないんだ。零がびっくりするよ?」


「そう、ですね…」


「寂しくなったら言って。僕はいつでもれんちゃんを構います」


「まあ、嬉しいですわ。では、あの、わたくしをもっと見てほしいですわ」


「目を合わせたらいい?」


「はい。…いつも見ててくださいませ」


「もちろん」


いつまでもかわいいれんちゃんでいてね。

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