お嬢様なれんこちゃん

えいみ

道場破り

1

「たのもー!」


威勢良く道場に入ってきたのは、柔道着を着たお団子頭の女の子である。


「誰?1年?」

「見学?」


「わたくしは、躑躅つつじ本家の跡取り。躑躅れんこにございます。わたくしは、優勝経験もございます。なまぬるい部活動など全く興味がございません。ですが、あなたがたがどうしてもと言うのならば、入部致します」


つらつらと語る。


「ちょっと、あんた1年なのに生意気なんだけど」


部長は女性だ。しかも、高校3年。


「ではわたくしと手合わせお願いできます?あなたがここで一番偉いのでしょう?ならば、あなたが負けたらわたくしが部長になって差し上げます」


「はん?ばかなの?体格差とかわかんないわけ?あんた中1でしょう?」


「まぁ、自信がないのですか?」


「は?なによそれ」


「では、試合をしましょう」


れんこの言われるがままに、部長と試合を始めた。が、あっさり一本とられた。部長は…呆然としていた。


「う、うそ。なんで…」


「あなた、柔道しかされないのですね?つまらない方。柔軟性も全くありませんわね」


「な…なによそれ」

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