僕らは宇宙のポリスマン

中筒ユリナ

第1話 僕らのグループ

「チコ!起きてよ!チコ!」


「もう少し、寝かせてあげなさい。

転生して戻って来たばかりなんだから。」


ラクシュミー様から促され、スヤスヤと寝ているチコを見ていた。


僕はサム。今スヤスヤと寝ているチコは僕の妻だ。


ラクシュミー様は僕達が所属しているグループの長であるヴィシュヌ様のお后様。


ヴィシュヌ様率いる僕らのグループは、人々の魂の向上と育成を目的としたグループで、人々と同じ地球🌏に転生し、縁をもらった人々と関わりながら、育てたり、中には教育に携わり、教えたりしている。


チコは何度も転生しながら、その役目に取り組んできた。


転生を終え、帰って来たばかり。


「疲れたよね。。。」僕はそっと、寝ているチコに触れる。



「サム、ヴィシュヌ様が呼ばれてるわよ!」


一人の女神が僕を呼びに来た。


ヴィシュヌ様のいる部屋に行くと、何やら話し合いが始まっている。


僕はヴィシュヌ様に促され席に座る。


その話し合いの場には、ゼウス様とレオンと、、、


「シヴァだ。」と軽くご本人からの挨拶に、僕も「サムです」


シヴァ様は、ちょっと雰囲気が恐い感じの方だ。



そして、ゼウス様は僕達グループの人からは、お馴染みな存在だ。


ヴィシュヌ様同様、1つのグループの長を、されている。


言わばヴィシュヌ様とは長同士なわけだ。


そして、レオン。

彼は、僕らのグループの食事係とでもいうか、いつも彼の元でお茶を頂きながら、雑談している。


なんだか、いつもとは違う雰囲気だ。



あの時、何を話し合われていたのかなんて、全く知らない僕だったんだ。


で?ヴィシュヌ様は何のご用事だろう、僕を呼んで。


ヴィシュヌ「いやね、今帰ってきたばかりだから何とも、、ではあるんだけど。


次のチコちゃんの転生でね、」


えぇーっ?!!


び、ヴィシュヌさま!今帰ってきたばかりだよ!!


直ぐに転生なんて!!


ヴィシュヌ「いや、ちょっと、落ち着いて。今すぐじゃないよ。


次の転生が決まったらの話だよ。」


なんだ。。びっくりした。。。


で、なんだろう。


ヴィシュヌ「あのね、次に転生する時に、会わせたい子がいるんだよね。」


はい。。誰だろう?


ヴィシュヌ「まだ幼い子なんだよ。


日本の中筒様の育ての娘さんでね、


ゼウスの息子のショウは会った事あるんだけど、チコちゃんにも会わせたくてね。」


女の子か。。よかった。


男の子だったら、反対だ。


で?どんな子なんだろう。


シブァ「かなり幼い子でな、転生もほとんどない。

転生の時は、決まって、役目ばかりでな。次に転生する際はかなり、ヤバイ家系に降ろされるだろう。」


え?まだ幼いのに、そんなヤバイって、、恐い家系なのか?


シヴァ「ずっと取り組んできている家系の役目でな。次が最後になるだろう。」


そうなんだ。。チコよりも幼いのか。


ゼウス「それでだな、いきなりチコに出会わせるのではなく、まずは、ショウに出会わせてから、チコだな。」


あぁ。。それ、わかるよ。


ショウはゼウス様の息子でチコと転生する事が多い。

また、こちらでも何かとチコには世話をやき、おかげで僕はいつも、ショウには叱られてばかりだ。



ゼウス「ショウは、チコを妹のように可愛がっているからな、自分がチコの事をある程度は把握していないと、後がうるさいぞ。


「自分は聞いてないぞ!」とな、帰って来てからが、ごねるからの。」


シヴァ「だが、りおとショウは面識があっただろう。勿論、転生中だが。」


ゼウス「あぁ。巫女仲間としてな。


だが、そんなに、親しいわけではない。


歳もショウの方がお姉さん、あ、いや、女で転生させているからな、ショウは。


それで、巫女としての能力もショウの方が上だったからな。


りおを助けたりはあっただろうがな。


まぁ、あの娘なら、チコに会わせたとしても文句は言うまい。」



巫女ちゃんなんだ。。。


サム「でも、なぜ?

その娘さんとチコを?」


ヴィシュヌ「僕らのグループの使命とする魂の向上、成長。

これに繋がるんだよ。


いや、実はね、僕はちょっと昔にりおを預かった事がありね、まだチコちゃんや、サムがうちに来る前ね、


それで、うちの女神に託して育ててもらった経緯があるんだよね。」


シヴァ「だが、上手くはいかなかったんだよな。」


ヴィシュヌ「そう。駄目でね、女神達がお手上げ状態だったんだよ。」


え?、、そんな駄目な娘をチコに?


大丈夫なのか?


ゼウス「駄目の意味を間違えるなよ。」


え?


ヴィシュヌ「凄く表面上は、良い娘なんだよ。育てやすそうに見える。


だから、始めは上手くいっているように見える。


だけど、内側に闇を抱える娘でね。


いや、皆陰陽はあるんだけど、


バランスが、悪いのか、闇、陰へと心が傾くんだよ。


だから、いつも、消えたい。とかね。


難しいと言われているんだ。」


そんな娘を、なんで?チコが?


ヴィシュヌ「チコちゃんに会わせたいのはね、きっと、チコちゃんの天真爛漫さが、彼女には光となるのではないかなとね。

仲良く、友達みたいになれたらと。


そう考えていてね。」


そうなんだ。。。


チコに育てさせるとか言われるのかと思った。。。


友達なら、、うん、いいかもな。


この時の僕は単純で、表面しか見えていなかったんだ。。。





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