第2話
「おい、死神があの夏目さんと話しちまったらしいぞ!」
「はぁ!?ふざけんなよ!あいつ、夏目さんまで殺す気かよ!」
「ほんとなの!?夏目さん大丈夫?」
「え、えぇ、今のところは何も問題ないわ」
翌日、夏目と彼が話してしまった事をどこからが聞き付けた奴らが一斉に夏目を囲み心配をしている。そして彼には殺気、怨みのような何かが飛んでくる。そんな空気の中彼は
(あー、屋上つかなくなった…てかあれ聞かれてた?夏、、なつ、、なつさん(?)が誰かに話した?あのセリフも?え、死ねる)
何も感じていなかった、もうずっとこの空気にいたので慣れてしまっているのかそれとも鈍いだけのアホなのか。答えは後者である
「よーし、HR始めるぞー、とその前に…夏目は大丈夫か?最悪2日くらいだったら事情も事情だし休んでもいいが」
(え?なんの事情?痛すぎた?痛すぎて体調不良とか、てかその事情周知なの?ずっと俺痛かった…?)
はい、そこじゃないです。貴方が、関わったら死ぬっていう死神なので、それと関わってしまったのが事情だ。まぁそんなの事情ではなく差別なんだが。ただ痛いのは事実だがそれで体調不良不良はもはや笑えるのでは無いだろうか
「いえ、流石にその程度で休んでしまっては成績も落ちてしまうので大丈夫です。今回こそ1位にならなければ行けませんので」
「流石夏目だ!今回も期待しているぞ!」
「ありがとうございます」
夏目は毎テスト学年2位という好記録を入学以来取り続けている。しかし1位と夏目とでは圧倒的な差があるにも関わらず徐々に差を縮めて来ているのだから1位としては気を緩められないのでは無いだろうか
(去年の期末テスト2位?あ…あいつだったのね全然知らんかったまぁ結局満点でも同率1位であいつは喜ぶのかね)
こいつだ、彼が学年首席。入学以来テスト満点というチート野郎である、天は二物、三物与えたが、不幸属性を付けることで帳消しにしたのだ。いや、帳消しか?これ
(なんでテストでそんな頑張るんだ?別に教科書1回見ればわかるだろこんなん)
はい、腹立ちますね。居ませんでした?クラスにこのような人「俺ノー勉だわー」「授業中寝ててなんも聞いてねぇ」とかいって普通に上位のやつ。頭の作りがおそらく我々と違うのだろうがそれにしても腹が立つのには変わりは無いのだ
「じゃあ改めてHRはじめるぞー。相澤ー江原ー…」
(仕事しよ)
いつも通りの日常がまた時を進める
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(遠すぎだろ、生物室。どんだけ広いんだよこの校舎。ん、あぁ…机ねぇじゃん)
この金をかけたであろう私立高校は無駄に広いがため移動教室も楽なものでは無い。
彼が教室に帰ってくると自分の机がなく廊下にあるのだ。まぁそうなるであろう
(よいしょっと、まぁ中学以来か。誰とも話して無かったから起こらなかっただけでこうなったらこれくらいやられるよな、しってた)
彼は慣れた手つきで机を戻し、何食わぬ顔で次の授業への準備を始める。
(まぁ、机出されただけなら問題ないし。明日からどーなるかな)
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あれから1週間がたった
それはもう酷いもので、顔写真を机に張りつけ大きなバツマークをつけてあったり、上履きは3度買い換えた、切られていたり、汚されていたりと散々な扱いを受け、終いには教科書の類も全て破り捨てられるなど最早これはいじめである。
しかし幸いなことに関わったら死ぬという噂、もとい実話があるので誰も直接被害を加えなかったことだけがせめてもの事であろう
そして今日は
(わーお、机がないのはいつも通りだとして、雑に修正テープで名簿から消してあるとは。もっとほかのことにその行動力つかえよ)
流石にそれはやっては行けないのではないだろうか、恐らくこれは教師ではないだろうという痕跡のものであるが教師も黙認するのではないだろうか。訴えれば立派な罪だが彼はめんどうなのでそれをしない。
彼はアホだがさすがに常識というものは捨てていないらしい。
(流石にこれは暫くは学校に来ても屋上に行って寝てるか)
一応鍵は夏目らには渡したが合鍵を作っておくと言う脳はあったらしい。教師たちも出席日数がどうと突っ込んで来ることは無いだろう、そうしてしまえば自分たちも被害を被ることは目に見えているのでしないはずだ
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「んー、きもちいな。梅雨に入ったら来れないしタバコも吸えないしな」
床に腰を下ろしハイライトに火をつける、このラム酒のような風味のレギュラーが実にうまいのだ
「吸い終わったら少し仕事して、ねるか」
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それからしばらく時が経ち、三限の時間のはすだ
「やっぱりここに居たのですね」
振り向くとそこには今回の被害者。夏目美亜が立っていた
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