周りを不幸な死に追いやってる死神少年は、ただのアホである
@sirousa212
序章
第1話
『不幸』とはなにか。
みなさんも不幸だと思ったことはそれなりに生きてきた中で沢山あると思う。
しかし『不幸』と言う事象はどのラインを超えると『不幸』と言われるのか。
例をあげよう
例えば、財布をバスや電車に忘れる。
例えば、歩いていると車が水溜まりをはねて自分にかかる
例えば、例えば、etc…
『不幸』という事象は各々の価値観によって変わる。
しかし、皆さんのそれは果たして本当に『不幸』なのか。
勘違いしないで頂きたい、みなさんが不幸にあったことがない、と言っている訳ではない。
そんな『不幸』に愛され、報われない。そんな男の物語をここに綴ろう。
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『お前がいると次々と不幸が起こる!』
『そうよ!この子が生まれてから私も…夫も!周りの人たちもみんな不幸になるのよ!この…疫病神!!』
『そうだ、もう俺たちの前に現れるな!消えろ!』
そこへ1台のトラックが突っ込んでくる、それが道路などであれば可能性がないとも言えないがここはごく普通の一軒家である。
『父さん…?母さん…?ぁぁ…これで僕の周りだけで10人め、はは…疫病神の名も伊達じゃないな』
何故か、無傷な少年は己の父と母だったものを見ながら乾いた笑いをしながらそう呟く。
『次に行くところ…あるかな』
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「うぅ……あぁ、朝か。学校いかなきゃ」
さて、時は流れあれから少年は青年と呼ばれるくらいの歳にはなっただろう。
歳は16、高校2年生だ。
あれから少年は警察に保護された。
「飯は…いいか。学校にいこう」
「いってきます」
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「よし、全員揃ってるな。席に着けーHRはじめるぞー」
(学校に意味があるのか、誰とも話さず近づかずましてや教師からも無視される。まぁそれが俺だから仕方ないのかもな)
そう、あれから少年は住んでいる県を離れ千葉へと引っ越してきた。しかし情報というのは非情なのだ。少年が意図して起こした訳では無い事件がSNSや新聞で拡散され、どこから漏れだしたか分からないが少年だと特定されこのような扱いを受けている。
曰く、彼に親しくすると死ぬ
曰く、彼は意図して事象を起こせる
曰く、親しくせずとも1度話しただけで不幸になると
まだまだあるがそれが続き担任やほかの教師にさえシカトをされてしまう始末である。
彼の名前が大々的に知られるのは昇降口に張り出される中間、期末等のテスト結果などである。
(どうせ授業なんて後でまとめればいい、仕事するか)
こうして時間は進んでいく。
これが彼の日常なのだ。
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(んー、だいたいこんな所か、もう四限の終わりか。飯でも行くか)
この高校は地元では有名な私立進学校であ、り、学食、中庭などが完備されておりまるでラノベか、と突っ込みたくなるような高校だ。
「あぁ、風が気持ちいいなこんなことならもっとちゃんとした飯を持ってくるべきだったな…いただきます」
彼の食事は基本的に前日に買ったスーパーの半額品や4つ入りのロールパンやスティックパンなどである。
「タバコ、吸うか」
もちろん違法である。彼はまだ未成年であるので吸ってはいけないが彼は吸っている。
そして屋上も基本的には解放などはしていない、勝手に彼が鍵穴から型を取り合鍵を作って入っているだけなので立派な犯罪だ。
(うまいなやっぱり、そりゃ高くても辞めるやつなんて居ねぇよ)
「あれ?屋上空いてる!」
「ちょ、
「でもおかしいですね、基本屋上は解放されて無いはずですが…」
「そんなことより、
(やば、普通にやらかしたな)
あろう事か彼は鍵をかけ忘れたのである、そもそも屋上を開けようとする行為自体が大誤算である。
「んー、きもちー。ってあれ?」
「死神…なんでここに」
(死神とか痛すぎだろ、てか直接呼ぶなし)
「屋上に勝手に入っただけでなくタバコ!?あなた一体何してるんですか!」
その言葉を無視しタバコを揉み消し、彼はさっさと屋上から出ようとするがそれを許さないのが彼女【
「いい加減話を!「いいのか?話して。死ぬぞ、おまえ」……」
「鍵はやる、バレても知らねぇけどな」
そう言い残し彼は足早に屋上を去った。
そうしてどこに行くのかというと…
(なにが!話していいのか?死ぬぞ?だ、痛すぎたろ俺。くっそ恥ずい、恥ずすぎる)
もうひとつのサボりスポットの空き教室で悶えていたのである。ただのアホである、痛すぎる厨二病患者でさえ「痛すぎて死にたくなる」と言ってしまいそうなセリフを吐いたアホある。
「ぁぁ…早く終わんねぇかな、高校生」
これは不幸の神に愛された彼が救われない物語だ
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