第一章〜幼少期〜

第一章 第一話 新伝~初めての魔法~

 あのあとマリネに魔法書と歴史書を持ってきてもらい読んでいた。


「この本に使われている言葉も日本語じゃないのになぜか理解できるんだよな。前世でも英語とかこのレベルで理解したかった……」


 話しているときはもちろん本を読むのだってなんの苦労もなく理解できる。

 やはりなにかスキルがあるんだろうか。

 今からとても楽しみだ。


「えーっと、まずは魔法書からかな?」


 グランが魔法書を開くと"魔法使いの素質が~"とか難しいことが書いてあった。


「なんか素質がない人には使えないみたいだけど大丈夫かな?」


 素質があるかを調べるにはありきたりだが、魔力を感じるところから初めるみたいだ。


「えっと、"魔力はへその下の丹田に魔力袋があり血液のように全身に巡らすことができる。魔力を感じられたら指先に集めて呪文を唱えてみよう。"ってなってるけど丹田を意識するってかなり難易度高いな・・。まあ頑張ってみるか」


「失礼します。お茶をお持ちしました」


「ありがとう。マリネ。マリネって初めて魔力を感じるときどうやった?」


「そうですね・・・歌うときみたいにお腹に力を入れるとやりやすいんじゃないんでしょうか。私はそれで流れをつかみました」


「なるほどね。わかった!ありがとう!」


「頑張って下さい♪お夕飯ができたらお呼びします」


「わかったよ」

 失礼しますといってマリネが出ていったあと歌うときのように腹に力を入れて魔力を感じてみた。


「う~んほわほわしていて温かいやつが魔力かな?とりあえず流してみよう。お!できたみたいだ。じゃあ指先に集めて呪文を唱えてみようかな?」


 そして「灯火ファイヤ」と呪文を唱えると火が出た。

 ただ予想していた火のサイズより大きいものが出た。


「うわっ!大きくない?なんかもっとこうろうそくみたいなサイズを予想してたのに。これは魔力が多かったのかな?それとも制御できてないとか。まあいずれにせよ鍛練していかないとね」


 また魔法書に目を落とし次のページを開くとそこには『毎日魔力を体内で循環させると魔力量が上がる。

 ただし素質がない人には循環させても魔法が使えるようにはならない。』と書いてありとりあえずこれを毎日やろうと思ったのであった。

 ちなみにグランの大声を聞き付けて何事かと心配したマリネが焦って部屋に飛び込んできたのはまた別の話だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る