あとがき集
月見 夕
或る弟の話
大学時代に書いたやつです。当時を思い出してあとがきを書いてみます。
◆作品について
学生時代はどちらかと言うと、こうしたキャラ小説じゃない掌編小説ばかり書いてました。
部誌の字数制限が5000字前後だったからというのもあります。キャラクターの設定を浸透させる暇がない。
ので意外なオチ・気を衒った舞台設定・印象的な書き出しのどれかに全精力を注いで書いていたように思います。
この作品はオチに全力を注いだ話です。
タイトルを或る弟の話、としておいて、主人公が弟でも何でもなかったという話ですね。誰が『薫』か、という弟を巡る話とも言えます。
キャラ小説じゃないので、名前とか容姿とかそんなのは全部秒で決めています。『薫』も呼びやすさ重視の名前です。特にこだわりは無いです。
恐らくこの後も姉は本当の弟を理解することはないでしょうし、もし理解したとしたら発狂すると思います。
文体は読みやすく、音読した時にリズムができるよう書いていたと思います。今はもうそんな事ないですが、当時はそんな感じでスラスラ文章が出てきてました。その能力はとうに枯れたと思っています。
当時は1から10まで書かないと気が済まない、自分が考えている通りに読者に理解させたいと思っていたようで、匂わせとかはほぼなく読後に想像する余地がない、と当時の部活動でやった推敲会で先輩に指摘されました。
今読むと確かにそうだなと思います。
内容は病院で完結する話です。
推敲会では結末に出てくる「リノリウムって何?」と聞かれたのを覚えています。病院の床材でよくある、緑色でのっぺりしたゴム質の床っていうんですか、あれです。血痕が目立たない素材だそうですね。光もろくに反射せず、暗い印象を与えるので結末に持っていきました。
個人的には学生時代で一番よく書けたな、と自画自賛する話です。
作品↓
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