俺の家

「お邪魔しまーす」

ヒナタはなかなかに礼儀正しい。うちの親がいてもいなくても

その言葉は必ずかけて家の中に入ってくる。

兄貴の部屋は俺の部屋の真向かい。

「で、兄貴の部屋はこっちじゃねえから!」

「え、まずはシンジの部屋でダラダラする」

「いや、俺の部屋は汚いし、見られちゃ困るもんとかもあったりする」

「汚い?あーじゃあ私が片してあげてもいいけどね」

「その、見られちゃ困るってのも気になるしねえ」

「いや、お前はとっとと兄貴の部屋に行って勉強すればいいんだっ」


廊下でそんな小競り合いをしてたら、兄貴が待ってましたとばかりに

部屋から顔を出した。

「ヒナタちゃん、こんにちは!

俺の部屋来なよ?もうテーブルの上とか片してあって奇麗だし。

さっき掃除機もかけたからさ。

シンジの部屋なんかにいたら、風邪ひきやすくなるけど、

俺の部屋はいつだって奇麗だから。ベッドのシーツも替えたし!

いつでも俺的にはさあ…」

兄貴はおもむろに濁してみせた。

俺は知っている。兄貴は高校で女子からモテモテだけど。

誰とも付き合っていない理由がある。

今の発言もそうだけど。かわいく成長したヒナタのこと。

隙あればベッドに押し倒したいと思ってる。

ま、これ、俺の憶測だけど。

明らかそうだよなあ。多分だけど。

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