能力の飛び交う裏の世界で
眞田家の者です。
第一章 愛する者と能力と
第1話 最愛の人と最悪の事件
「ねぇねえ、みっちゃん次は何処行く?」
「あの、車道の先にあるお店はどうかな?」
「じゃあそこに行こー!」
私の名前は
普段は家で色々とやってる私だけど、今日は二人は街でデート中。
私は、いつも通りだな〜なんて思ってた。トラックが私の方に向かって来るまでは…
「眞奈!!」
咄嗟に私を押して、自身の身を代わりに、盈は私を庇った。
でも、トラックの重量の前では無事に済まず、その身体は見るに堪えない姿となってしまっていた。誰がどう見ても死んでいる。
「みっ…みっちゃん?ッッ…!」
その叫びは声は叫んだにしてはとても静かで、最早叫び声ではなかった。
そして、その目にただ水を流すのみだった。
――――――――――
あれから数ヶ月経った。
彼女は殆ど家にいたが、お金は全然減っていなかった。それどころか食べない日がかなりあった。
時々彼女の視界に変なのが見えたりしていても、幻覚だと思ってやり過ごしていた。
そんなある日、チャイムの音が家に鳴り響いた。
眞奈はゆったりと起きようとしたが、久々に起きたため、少しよろけてしまっていた。
そういえば髪も暫く切っていなかったな、と考えながらも扉の外にいる人に目を向けた。
「…どちら様で」
「ここは愛梨 眞奈の家で合ってるか?」
完全に知らない人だ、と思いいつでも通報できるようにスマホを持って構えた。
「一応言っておくが、スマホを持っても意味ないぞ。お前の家周辺には人もいないからな。叫んでも無駄だ」
見えない画面越しの筈なのに、眞奈の動作に対してとやかく言ってきた。それ以外にも眞奈はおかしいと思いつつも話を続けた。
「あんた誰?」
「今は関係ないだろ?」
「誰なの!」
「はぁ…つれねぇな。俺の名前は
「本当にそれがあんたの名前なの?」
「偽名だと思うなら思ってな。俺達はあんたをスカウトしにきただけだ。…ただ、お前さんに拒否権はないがな」
そう言いながら、五月雨は少しニヤついた顔で言った。眞奈は無性に腹が立ち、壁をかなりへこませた。
「そうかっかするな。壁を殴った音が外まで聞こえてくるぞ!」
眞奈はおかしいぐらいに苛立ちを隠せない上に、どんどんと込み上げて来ていた。
いつもなら盈が来ていたところだろう。
「はぁ…それで?返事を聞かせてもらえると有り難いんだが?」
「……ノー」
それはとても小さな声で答えた。
「え?なんだって」
「嫌に決まってるじゃないの!!大体、貴方のその気に障る言い方はなに!?ムカつくのよ!!」
「はぁ…仕方ね」
それを最後に鷹は画面に映らなくなっていた。かわりに玄関から音がするようになったので、眞奈は包丁を持って玄関に向けていた。
「意外と硬いのか」
訳の分からない事を言って、扉は開いた。
その瞬間に、眞奈は包丁を、目も音も置き去りにするぐらい速い速度で投げた。
「うぉ!!危ねえ!開けて早々ナイフを投げる奴がいるか!!」
「ここにいるわよ!!」
今度は拳で腹を狙って振るおうとしたが、拳を構える前に、先に腹を守られてしまったので、構わず殴った。
「うぐごっ!!??」
鷹の腕は完全に折れており、数メートルは吹き飛んでいた。何よりも驚きな事は、眞奈がろくに食事もせずにこの力を出せていることだろうか。
「うぅ…これでも、駄目か!」
そう言い鷹の顔は険しさが増し、先程までの余裕が消えてなくなっていた。
眞奈は自分で、どんどん火に油を注いでいた。そして最早
「うぅ…アアァァァァアァ!!!!」
「まずい!」
鷹は頑張って防御したが、拳が思いっきり腹を捉えて押し込んでいた。
その時に後ろから、鎖が飛んできた。その鎖は一人の男から出ており、宙を舞っていた。
ところが眞奈は、金属と思われる鎖を素手で引き千切った。
「え!?いや、嘘だろ…!」
「逃げろ!!カイ!」
「はァァア!!」
そうして振った拳が空を切った。それと同時に眞奈は後ろに引っ張られた。
「今だ!カイ。捕まえろ!」
「は、はい!」
そうして眞奈は瞬く間に縛られ、ガスをかけられて、眠ってしまったのであった。
――――――――――
それから暫くが経ち、日も傾いて来た頃に、眞奈は一室で目覚めた。そこは病院のようで違い、何処か違和感の漂わせる空間だった。
「あぁ…ここは?」
「あら、起きたかしら?まだ頭はボーッとするかしら?それなら寝てて大丈夫よ」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
新しい小説の第1話です!!
今回の話は人魔闘諍と違って話数はあまり計画せずに好き勝手書いてみようと思ってますが、終章の構想はありますのでいつかは終わります。
……いつかは。
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