第6話 野良猫情報網 

🖼 野良猫情報網 


最近、クロはよくノラに付いて散歩に出かけているようだ。

しかも、二人共、いつもと姿が違うんだよな〜 ノラは、最初の野良猫の色合い、前足の先だけが白い黒猫、クロは、少し青みがかった黒猫の容姿で、二人というか、二匹の猫たちだ。毛並みは良いよ、僕が手入れしてやってるわけじゃないけどね。

でも、これじゃあ、そのうちタダの野良猫、宿無しと間違われかねない?からね、今、「錬金」「創造」で、首輪を作っている。付けていてほしいんだけど、「いらない!」なんていわれたら、即、お蔵入りだけどね。

まあ、手を合わせて、中を空洞にして、念を込める。簡単にできるな、軽くて良いものをと思って、毛が絡みつかない素材で、安っぽいけど、ポリエステル素材で作った、縫製?裁縫?そんなのできるわけないし、しないよ、「錬金変形」で、それっぽくするだけ。

まあ、ペラペラのリボンか?鉢巻?みたいなものができたけどね、猫のイラストと、飼い主名と住所、連絡先電話番号を、印刷しておいた。色は、ノラもクロもお揃いで、紺色。目立ちすぎないようにと思って、紺色だけど・・・


昼過ぎ、僕が昼食のカレーを食べて、インスタントコーヒーでゆっくりTVを観ていたら、ノラたちが戻ってきた。いきなり、「喉が乾いた!」って、どこまで散歩に行ってんだ?

水?ミルク? 「水が良い!」って、言うので、専用の皿にペットボトルから水を注いでやったよ、水道水だと、嫌がるんだよね、「不味い」んだって。

それで、早速作った首輪を出して、

「これ、首輪、ただの野良猫と間違われないようにと思って作ったけど、してくれない?」

「・・・」

ノラは、「良いよ〜」っていうので、首に巻いてやって、ほどけないようにしっかり留め具のホックをはめた。クロは、何か?不思議なものを見るように、匂いを嗅いだりしていたが、

「これ、神気、籠もってないよね?」「無いと思うよ、なあノラ?」

ってノラに振ってみれば、「無いよ、ただの布切れ」って言う答えで安心したのか、リボンを咥えて僕のところに持ってくるので、首に巻いてあげたよ。

前は、僕に近づくだけで、神気が〜なんて叫んでいたんだけどね、最近、平気なのかな?

まあ、これで、野良猫盗難対策?はできて一安心だな・・・


ノラが、今日の報告、って言って、今日の散歩の様子を教えてくれたけど、魚市場まで行って、他の野良猫たちと話をして、おじさんたちから魚をもらって食べて、それで、帰ってきたんだとさ。

でも、耳にした、野良猫同士の井戸端会議?の中で、気になるものがあったので、ノラに確認したら、何でも、三崎の先っぽにある別荘みたいなところに、小さな子供が一人と、中年のおじさんが一人、いるそうだよ、でも、子供は家から一歩も出ることもなく、いつも、家の中で、ゲームをしているか?お菓子を食べているか?寝ているか?だっていう、どう見ても、親子ではなさそうって、野良猫たちのもっぱらの噂話ということだ。

何だろう? どうも何かが気にかかるな・・・

ちょっと、行って見てこようかな、と思ったら、何? そわそわして?行く気なのかな?

「一緒に行くにきまってるじゃない!」「いくよ!〜」ということらしい、まあ場所も詳しくはわからないから、良いか。

で、何で君たちは、僕の両肩に乗ってるのかな? ノラは自分で飛べるよね? 「・・・」


まあ、とにかく、「隠密」で、三崎の海岸付近まで「転移」して、上空を「飛行」している、ノラが言うには、もう少し山の方と言うから、山側を「空間察知」すれば、確かに一軒、別荘らしいものがあるな、まだ、新しそうだよ。

「気配察知」で、今、中には、中年の男性と子供、女児が一人いる。

気配で、駄目なことがわかったよ、この中年男、「誘拐、幼児虐待」の気配がビシビシ感じられることだ。最近、新聞を見てないからわからないが、TVでも、幼児誘拐のニュースは無かったよな〜

ノラに、この野良猫達の噂話はいつごろから? 「さあ?でも、つい最近らしいよ」、なら、まだ公開捜査前、なのかな?

クロに、あの男の負の感情を読める? 「解るよ、ちょっとまって・・・」って、黒い闇になって近寄っていったよ。あれ? 首輪は?・・・・

念話で、「こいつ、今日で、誘拐してから3日目、そろそろ、子供のご機嫌取りにも飽きたので、何か、しでかすかもしれないほど、負の感情が高まってきているよ〜」

試しに、そいつの負の感情を吸い取ってしまったら? 

「面白そう、やってみる? いつでも行けるよ〜」 ということなので、クロに任せた。

今、あいつの負の感情を吸い取っているところだね、なんでも、一気にやると、精神に後遺症が残る場合があるんだってさ。

幼児の方に注意してみれば、名前、住所が書かれた、保育園のカバンがそばにあるな、ラッキーだよ、なら、もう、送り返してしまおう。

幼児に「催眠」をかけて、カバンと一緒に「転送」で手元に寄せて、確認するが、無事なようだ、それを、保育園の中庭に、「白霧」とともに「転送」しておいた。まるで、霧隠れ?雲隠れ?だよな〜

あとは、邪気を吸収して満足顔で戻ってきたクロを確認して、中年男に「白状」「催眠」を掛けて、マッピングで見つけた近くの交番の前に、「白霧」を付けて「転送」した。

あれ?黒猫にもどったクロの首には、僕の首輪があるな・・・どう?やった?



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