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 物思いにふける秋

 一人を想う、その余裕もあればなお

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 永遠とわの反対かもしれない、「寂」しいとつく単語も多いのが日本語の妙。


 寂寞せきばく

 寂心せきしん

 寂寥せきりょう

 寂如せきじょ

 寂寂せきじゃく


 なんといっても「わびさび」の国ですから?


「侘び寂び」

 と、漢字ならこうなります。


 びは「ひっそりとした味わい」

 びは「古びて趣あること。閑寂かんじゃくおもむき(さびの極意)」

 (大辞林)


 永遠、はるか、その意味を持つものも多いからこそ、その逆もまた真なりといったところかもしれません。

 はるか遠くを見てその雄大さに息をのみつつ、ふと足元に目線を落とすと、「自分」は一人。

 悠久の時にたゆたいつつ、刹那の寂しさも感じる。

 二面性を常に日本人は捉えているのでしょう。


 永遠の時に想いを馳せれば、今度は刹那の時に想いを寄せる。


 心をゆったりと、また一つ所にとどめおいて。

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