あさぼらけ

 --- --- ---

 朝ぼらけ有明の月とみるまでに

 吉野の里にふれる白雪

(百人一首:坂上是則)

 --- --- ---


 あけぼの、空がほのぼのと明けていく。


 日本には刻々と変わっていく「朝」を表す言葉がたくさんあります。


 その一つ。


 日の出前のマジックアワー、というところでしょうか。


 言葉の響きがいいですよね。


 漢字をあてられることありますが、それはきっと当て字。

 「あさぼらけ」とひらがなのほうがみやび。


 小鳥が鳴きだし、朝の訪れを告げる。

 寝起きの頭はまだぼんやりしていて、ゆっくり明ける空もまぶしい。

 ゆうべの夢の余韻も冷めやらず、朝のせわしなさを迎えるのが億劫おっくうで、もう少し気だるい静かな時間を布団の中で過ごしたい。


 空が白んでくるあさぼらけを窓越しに感じながら。

 

 日の出も遅くなってきたなと、寝ぼけ心でほのぼのを、ぼんやりと。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る