月齢

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 暗い夜空にぽっかり浮かぶ

 白く輝き人を導くように

 でも、いつもそこにいるとは限らない

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 毎夜違う顔を見せる月を愛でるような、月齢げつれい


 その表現は数えきれないほど多い!


 欠けている様子を弓に見立てた上弦、下弦といえば、今も衰えない人気マンガを連想するでしょうが、それだけではありません。


 立待月たちまちづき(特に8月の十七夜じゅうしちや)、居待月いまちづき寝待月ねまちづき(陰暦19日の月)。

 立ちながら待つうちに、待ちくたびれて座ってしまって、さらに待ち切れずに寝てしまったころに。


 満月なら。

 望月もちづき藤原道長ふじわらのみちながの「欠けたることもなし」で有名ですが、「あまみつつき天満月」なんて、ものすごい風流なものも!


 尽きることなく。

 四季それぞれ、春月しゅんげつ夏月かげつ秋月しゅうげつ冬月とうげつと、俳句の季語にも。


 アメリカでは先住民族の農事歴にちなんで、満月、それぞれ。

 フラワームーン(5月)、ストロベリームーン(6月)は素敵ですが、芋虫月(3月)とか、チョウザメ月(8月)とか。

(参照「ウェザーニュース」)


 まだまだ。

 本当に、キリがない。


 夜の寂しさは耐え難い。


 昔の夜はなお、伸ばした手の先も見えないほど真っ暗で、それこそいつどこからお化けが出てくるかもしれない。


 星明り、月明かり、満月ならなおのこと、それはそれは頼もしかったはず。昼の太陽の暖かさと比べ、冬にはその輝きを寒々さむざむえと表現することあっても。


 まいにち姿を変えて、出てくる時間も違う。

 それに風流も感じるのは、日本人の心? いえいえ、どこか人類共通のものでしょう、月が夜を照らす女神である限り。

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