思う壺

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 思うつぼの「壺」とは

 時代劇でおなじみ丁半博打の、あの振り壺のこと

 賽の目いずれも振り分けられて「思う壺」

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 さても、面白いのは漢字の世界。

 さらに、それをどう読むか、使い分けるかと日本語の世界。


 ここまでいろいろ語ってきましたが。

 

 いきもの。せいぶつ。なまもの。

 これすべて、漢字にすれば「生物」。

 それぞれ意味、使う場面が違うのに。


「静寂」も「せいじゃく」と読むより「しじま」と読めば文学的。


「図・計・量・測・諮・謀」

 すべて「はかる」と読み、その漢字によって何をいるかもあらわすことができる。


「図」=企画、意図。解決をはかる。

「計」=時計。時間をはかる。

「量」=容量、重量。体積や体重をはかる。

「測」=その他。(計、量、測は機械「計器」ではかる)

「諮」=相談。審議会にはかる。

「謀」=悪いこと。悪事をはかる。


 推しはかる量・測(推量、推測)もありますね。


 かたいなんて、いったい、どれを使ったらいいのか。

 頭が固い? 口が堅い? かたい……。


「固」=反対は緩い。心に関することにも使われる。かたい団結。

「硬」=反対はやわらかい。かたい石。表情がかたい。文章がかたい。

「堅」=反対はもろい。だいたい、口が堅い、堅パン、合格は堅いと、用途は限定される。


 難しい、でも楽しい!


 と、とらえてもらえれば……


 思う壺。


(参照:「ひと目でわかる 微妙な日本語使い分け字典」PHP文庫)

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