魔物ちゃん

魔物。

プロローグ

『おぎゃ~!おぎゃ~!』

 神崎かんざき家の次女として私はこの世に生を受けた。だが、誰もが幸せな家庭で育つと決まってはいなかった。


 この家は呪われていたのだ…。



 私の家は、母と父、兄と私。そして、祖母と祖父の構成。母は私を生んで直ぐに亡くなった。私を生んだことにより免疫が下がり持病が悪化してしまったらしい。


 …それから十年間は何事もなく過ごしたと思う。父は病を患っていて兄は家に引きこもっていたということ以外は。


 それでも、父は家で出来る仕事を探して必死に生計を立ててくれていた。兄はというと外に出ないこと以外は凄くいい人だった。学校に行ってなくても独学の勉強でプログラムを書けてしまうぐらいには頭も良く。仕事で忙しい父の代わりに私ともよく遊んでくれた。


 でも、そこで事件が起きた。


 ある日、私と兄はいつも通り二人で遊んでいた、いろいろなことに興味津々だった私は兄の目を盗み。台所の火を付けた。


 というものに興味が湧いた私は高い台所をよじ登り…。そのまま手を滑らせて顔面から…。それに気づいた兄が助けに来たがもう遅かった。火のついた私はそのまま這いずり回り家中に引火し燃え広がった…。兄は急いで私に着いた火を消し外に連れ出してくれた。そのあと、兄は持病で足の悪い父を助けに行くと火の中に飛び込んでいった。だが誰も帰ってくることはなかった。

 

 それから祖母と祖父が私を預かってくれる事になった。が、今まで風邪も引かなかった祖父が数年後にいきなり病に侵され、亡くなった…。


 …。私は呪われている。


 残されたのは目の見えない祖母と醜いやけどを負った私だけ…。私は信じていた必ず報われると。幸せになれると…。

 

 それから数年後。私は様々な困難を経て高校へ進学し、高校二年生ももうすぐ終わりを迎える頃。




 大きな事件は起きてしまった…。

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