第3話入学
「ええ皆さん入学おめでとうございます
ええおそらく皆さん今後の高校生活に期待4割不安6割くらいでしょう。ええ........」
ついに俺も高校生。
そして純粋な疑問何故学校の校長というものはなんか良いこと(笑)をドヤ顔で言おうとするのだろうか?
目の前で並んでいる300人近い殺意を感じないのだろうか。
校長の内容の無い定型文を聞き終えるとクラスへ移動するようにという指示と共にこれから俺らの担任となる先生がまとめて校舎内を案内しながらクラスへと連れていってくれた。
愛知県立風波高校
地域ではそこそこ頭のいい進学校ではあるが校訓としては文武両道を掲げており様々な部活で実績を残している。
そうは言ってもやはり私立高校の壁は高くどの部活もせいぜいが県大会や東海大会止まりで
ここ数十年はどの部活も全国までは行けていないらしい。
俺がこの学校を選んだ理由は多くあるが一番大きな理由は家から近いからだ。
俺は元々地頭は悪くなくテニス一筋で授業は爆睡テスト週間も自主練漬けだったがそれでも平均以上は取っていた。
部活を引退してからはすることもなく勉強ばかりしていたので通学に電車を使うのは面倒くさいので一番近いこの高校に来たというわけだ。
そんなこんなでとりあえずクラスに入る。
俺のクラスは1年F組だった。
そしてここまで案内されてみてわかったがこの学校面倒くさい。
なんで体育館から5回も階段を登らなければならないんだ!
どうやらこの学校高低差の激しい場所に無理矢理建てたためそれぞれの棟が別々の階に繋がってしまっているらしいおかげさまで保護者会になると迷子の保護者が続出するとかなんとか。
これはしょうがないな
この校舎を設計した人物を恨みつつ席に着くと教壇にここまで連れてきてくれた教師が立つ。
「皆さん初めまして私はこの一年F組を担当する綾瀬久美です。私も去年この学校に赴任したばかりですが困ったことがあれば声をかけてくださいね担当教科は古典です」
綾瀬先生は20代半ばの女性で可愛いというより綺麗な人だった。
綾瀬仙がぺこりとお辞儀をするとクラスのみんなが拍手をする。
「えーっととりあえず配布物を配ります」
そう言って教卓に置いてあった大量の書類を配り始める。
その後は住所などの個人情報の紙や健康診断の紙などの説明があり自転車通学の許可証やスマホの校内への持ち込み許可証の説明や入学のしおりを配ると、
「えーこれでプリントは以上ですね明日は学力テストで授業は来週からになります。
部活動見学も来週から始まるので皆さん楽しみにしていて下さいね。では最後に自己紹介をして終わります。
自分の名前と出身中学校最後に一言言って座ってください、では出席番号順に」
そう言うと廊下側の前の席に座っていた男子生徒から立ち上がり自己紹介を始める。
もちろん30人以上いるクラスメイト全員の顔と名前を一発で覚えることはできないので適当に聞き流しながら自分の番を待つ。
「明子中学校出身神宮寺弓弦です。
一年間よろしくお願いします」
そう言うとまばらに拍手が起き後の席の生徒が立ち上がる。
他の生徒は皆趣味や入る予定の部活などについて話していたが俺に趣味はもう無いし部活についてはまだ決定はしていない。
それに俺は元々あまり人とのコミュニケーショが得意ではない。
中学は小学校から一緒のやつも多かったし部活をやっていたら自然と仲良くなっていたので逆に日常生活の中で他の人と仲良くなる方法がわからないのだ。
そんな感じで俺の高校生活1日目は終わった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます