解けない謎

 どうしても解けない謎がある。何としても解明したくて試行錯誤するもその甲斐なく、僕は未だに冷たいベッドに一人きり。隣の部屋の君は、何を思っているのかな。


 僕に手落ちは無いはずだ。君が望むものを全て持ってるよ。なのにいざ目の前に広げれば、涼しい顔して立ち去る君。君の興味は息する毎に次から次へと変わってしまう。

 ねえ、お願い。優しい言葉は要らないから、何がダメか教えてよ。


 何時になったら僕に興味持ってくれるの。君の最愛の人には、なれないのかな。

 片想いは辛いんだよ。君は気づいてないかもしれないけれど。


 真夜中のベッドの足元で、ぽすんと音を立てるベッドリネン。君がいた。

 突然の来訪に自然と綻ぶ口元。気づけば君に向かう指先。

「一緒に寝てくれるの?」

「にゃあん」

 そう言ったまま背を向けて、再び暗闇に消える尻尾。行き場を失った指先を、僕は一人寂しく布団の中に仕舞う。ああ。謎は深まるばかりだ。

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