【第二片】 時に涙は人を強くする
会科高校という学校では本日、入学式が行われていた。だが、ある生徒が起こした意味不明な言動が噂となって広がり、その話題で持ちきりになっていた。
「ねえ、聞いた?桜色の髪の子の噂?」
「聞いた、聞いた。入学早々、遅刻した挙句、寒いギャグ言って、クラス中を凍らせたって話でしょ」
「そうそう。それにその男と一緒に行動している地味目な男もヤバい奴って噂だよ」
「ええー、なにそれ~!きもーい」
などなどと。
そして、その噂の張本人、桜色の髪の少年は机に突っ伏しながら、目から涙を流していた。
「まさかあそこまで怒られるなんて。ただ入学式テンションで浮かれていただけじゃん。もう先輩っぽいことしたかっただけじゃん。許してくれたっていいじゃん」
更にもう一人、黒髪の地味目な少年も同じように目から涙を流していた。
「何か変な人に絡まれて、遅刻しちゃっただけじゃん。そう弁解しただけじゃん。そんな言い訳、社会じゃ通用しないって跳ね返されたけど」
この二人はそのまま夕暮れまで泣き続けるのであった。
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