言葉

望月

言葉

「なにしてもいいだろ」


あいつは私をなんだと思ってるのか。

私はあいつをどう思ってるのか。


私の扱いが雑なのはいつものことで大して気にしてもいなかった。だってそんな扱いされたら自分も相手を大切にしなくなる。

そんなことを繰り返すと距離感はおかしくなるもので自分が嫌だと思うことを相手からされるようになった。


ずっと繰り返し言ってきた「嫌だ」という言葉。何度嫌と言っても相手は納得しないし結局私が折れる。折れるというかめんどくさくなって受け入れてしまう。

私が嫌だと言っても「雰囲気」だとか「お前だから良い」だとかあっちに都合のいい言葉ばかり並べられる。

周りに相談すると「もう関わるのやめな」って言われるけど、簡単にやめれるなら苦労していない。


度が過ぎたある日いつも相談してた子から内容が別の子に流れた。


周りに言ってはいけないこと


という認識があったから焦ってあいつに謝罪した。関係は切れた。


冷静に考えた時、どうして嫌なことをされた自分が全部悪いってされて、周りに相談することも許されなくて、しんどくても耐えなきゃいけないのか。


たしかに、連絡先なんて消そうと思えば消せるし無視だってすることが出来る。

ただ強引にこれを行った場合私も悪くなるだろう、あいつの顔が広いことも私と関わる人間みんなあいつを慕っていることもわかってた。だからこそ拒絶できなかった。


我ながら馬鹿だと思う。

結局きちんとした行動に移さずに自滅する。


ふとあいつとの会話を思い出した。

人の悪口ばっかり聞いていたな、とか

偏見ばっかり持ってたな、とか

「俺がいなくなったらお前一人だもんな」って言われたな、とか


そんなことを思い出す。


あいつにされてきたこと、今思い出せばトラウマになるようなことも多くある。


そしてそんなことをされると毎回のように言われてた


「だってお前なんだから」

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言葉 望月 @tu11ki31

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