見つけた船で学園に向かう

「はぁ。わかった。とりあえず飛空艇や人に見つかりにくい高度まで上がろう」


「わかりました」


そう言うとミリスはシステムを操作して、偽装として地上に立っていた砦ごと基地を発進させ高高度を目指した。


ここは神隠しの森と呼ばれ、人が近づかない上にその上空も船は飛ばないため安全だった。


本部のスクリーンには外の様子が映されていた。


「本当に空に浮かんでるんだ。すごいな」


ユリスはスクリーンを見ながらつぶやいた。


それからの時間は基地を動かしスクリーンで空を見ながらの空中散歩を楽しんだ。もちろんレーダで他の船を警戒しながらだが


「御主人様。雷雲の建造が完了しました」


ミリスが建造の完了を知らせてきた


「雷雲の場所まで行こう」


雷雲は旗艦と言うだけあり、巨大で重装備だった。


「これ持って帰りたいんだけど、方法はあるかな?」


「操縦と簡易戦闘だけならAIだけでいけます」


「わかった」


ユリスはミリスと共に乗り込むと、艦橋へ向かい艦長席についた。


席についた瞬間、船に関わる全ての知識が頭の中に入り込んできた。少し気持ち悪くなったがそれに構わず、AIを呼び出した。


「セレネ学園まで頼む」


「了解しました艦長。地図がないため、進路を指示してください。あと私のことは雷雲と及び下さい」


「わかった」


進路を指示したあと、雷雲はセレネ学園を目指し発信した。


学園がある王都に着くと


「こちら、セレネ学園艦長科所属ユリス。王立空港への着艦許可を求めます」


「こちら、管制塔。所属の確認はとれたが、その戦艦はどうした?」


「それは最重要機密につき、申し上げられません。聞いた後に首と胴体がさよならしてもいいなら話しますが?」


「いや。本職は関わりたくない。第2デッキに着艦してくれ。そのほうが学園にも近いだろ?」


「ご配慮に感謝します」


第2デッキに着艦し船を降りると、学園長を筆頭に上層部の人間が顔を揃えていた。管制塔から連絡がいったらしい。


「ユリス君。この船のこと説明してもらえるね?」


「はい。学園長」


ユリスはミリスに船の見張りを任せ、今は学園長室にいた。


「それで、あの船はどうしたのかしら?」


年齢不詳のエルフでこの学園のトップがそう話しかけてきた。


「その前に人払いをお願いします。真実を知る資格があるのは学園長のみです」


学園長と睨み合った。ユリスは折れるつもりもなくにらんでいたら学園長がため息と伴に目線を外し他の人間に退出を命じた。


「これでいいわね」


「ありがとうございます」


聞き耳をたてられていないか、確認したあと全てを学園長に話した。


それを聞いた学園長は頭を抱えていた。


「なんで君たちは問題ばかりおこすのよ!」


「学園長。訂正を求めます。騒動を起こすのは僕ではなく、殿下と取り巻きです」


「あなたもその取り巻きでしょうが!」


学園長は頭を抱えながらそう反論してきた











  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る