夢幻の銃声

ねこぱんち

第一話 終始

バンッ


 時刻は丑三刻(うしみつどき)、月明かりに照らされた水面に影が二つ、静かな夜に乾いた銃声が一つ、響き渡った。


 そして、片割れの影が消え入りそうな声で呟いた。


「あばよ、俺の希望(とも)よ──」



 遡ること一千年前、地球温暖化による自然災害が各国で頻発した。

それにより、資源の奪い合いや土地開発、戦争が起こった。


 また、国内外でテロが多発し、土地は荒廃した。

その間にも先進国は宇宙へ人を送り、あらゆる惑星を開発し、移住する計画を国連で可決した。


 そうして、宇宙開発、移住が数百年にも渡り行われ、地球は廃惑星となった。



 XXXX年、地球外惑星に作られた、未来地下都市「デセスペラシオン」では日々犯罪やテロが多発していた。

そんな中、形だけの政府へ市民の不安が募り、暴動が起こった。


 政府は暴動鎮圧、犯罪やテロの撲滅のため、特殊防衛部隊をつくった。

部隊名は「虚無の弾丸(バラデバジオ)」といい、特殊な訓練を受けて合格した者が所属していた。


「虚無の弾丸」に所属する者は手配書を元に犯罪者やテロ組織等を捕縛または殺害することで懸賞金を得ることから、いつしか賞金稼ぎと呼ばれるようになった。


 こうして、「虚無の弾丸」の長きにわたる戦いが始まった。

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