第7話 ふたりから求められると抵抗できない。*
「……魔力の交換をしなければ、マスターの身体への影響は防げるって、ルビが言ってた」
どんな助言をしてくれちゃってるんですか、ルビさん!
あとで呼び出して説教してやらねば、と誓ったのは一瞬で。
アメシストの手が私の胸元に触れた。
「もっと楽しいこと、しよう?」
誘いの言葉には乗らないと口を開いたところで、再び唇を塞がれた。舌が入り込んでくる。
「んんんんんっ!」
バタバタ手足を動かしたが、胸をやわやわと揉まれていくうちにそれどころじゃなくなっていく。息苦しくて、意識がぼんやりとしてきた。
「……や、あっ、アメシスト、さんっ」
「直に触れるよ?」
ドレスシャツが捲られて、下着がずらされると直接胸に触れられた。アメシストの手は熱い。
「や、だっ、いいって言ってないっ」
揉む力が絶妙で、翻弄されてしまう。
胸を揉まれるって、こういう感じなの?
このままアメシストに好きなようにされるわけにはいかない。助けを求めてシトリンを見やる。彼は熱っぽい視線をこちらに向けて様子をうかがっている。
「た、助けて」
胸に吸いつくアメシストはそのままにして、私はシトリンに手を伸ばす。
シトリンはすぐには私の手を取らず視線を彷徨わせたが、結局は私の手を取った。
「シトリン……」
「大丈夫だ」
私の手を握っていない方の手で頭を撫でてくる。少し気がそれたところで、今度はシトリンから口づけされた。
「んんん‼︎」
唇を食まれるとゾクっとする。胸の刺激とあいまって、頭の中がグルグルし始めた。
なんで、なんでっ⁉︎
全然大丈夫ではない。おかしくなりそうだ。
「あっ」
唇が離れる。強制的に息継ぎをさせられて、再びシトリンと唇を合わせられた。舌がにゅるりと入り込んでくる。唇を食まれた影響なのか、感覚が鋭くなっているようだ。とてもドキドキした。
待って、これ。私の知ってるキスじゃないんですけどっ⁉︎
口の中を丁寧になぞられる。彼を追い出したくて口を閉じようとしたがうまくいかない。舌で押し出そうと触れると身体がジンと痺れた。
なにこれ? なんなの?
抵抗のすべを失って、受け入れざるを得なくなってしまった。
「……ふぅん? 僕のキスより弟のキスのほうが気持ちよさそうだね」
楽しんでいた私の胸から離れたアメシストは、さっと自身の上着を脱ぐ。ベッドの外に投げ出される上着が放物線を描く。たくましい上半身が露わになったのがちらりと見えた。
だめ。
このままではいけないと思っているのに、身体が言うことを聞いてくれない。
私はできる限りの抵抗を試みるが――
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