戦国クッキング

進藤 進

第1話 武蔵と小次郎

「チャンか、チャンか、チャ~ン・・・・」

自分で口ずさみ、スキップしながら登場。


「宮本武蔵・・・・どぅえ~すっ。」


精一杯の笑み。

どこか、役所広司さんに似ています。


服はヨレヨレの浪人衣装。

髷はボサボサで所々、ほつれています。


「チャンか、チャンか、チャ~ン・・・・」

これまた、上手から。


「佐々木小次郎・・・・どすぅ・・・」


小首かしげて、可愛く。

「au」桃太郎の松田さんのイメージで。


まっ白なピカピカの衣装。

後ろに差した日本刀がカッコいい。


【ふたり、あわせてぇ~・・・】

顔を近づけ、カメラに向かって。


【戦国ブラザーズゥ~・・・・】


「ドンドン・・・」

「パフパフ~・・・」


ダチョウ俱楽部のように。

両手を広げてます。


「さて、小次郎君・・・」

「何や、武蔵君・・・・?」


「今日の献立は・・・・」

「いきなりかいっ・・・?」


「えっ・・・・?」

「番組の紹介はぁ・・・?」


「あっ・・・そうでした・・・。」

頭をポリポリしてます。


「失礼しましたぁっ・・・」

カメラに向かいなおします。


「では、あらためて・・・・」


小次郎に促します。

うなずく、小次郎。


「武蔵と・・・・」

「小次郎のぉ・・・。」


【戦国クッキングゥ~・・・・】


「ドンドン・・・」

「パフパフ~・・・」


ダチョウ俱楽部のように・・・。

もう、いっか。


「武蔵君、今日の料理は何やねん・・・?」

「小次郎君、今日の料理はね・・・」


番組がリズミカルに始まります。


「戦国版・・・・」

武蔵君、声をひそめて。


「戦国版・・・・」

小次郎君、同じく。


「鹿肉のハンバーグゥッ~・・・」

何故か、ガッツポーズで。


「おお、ええなぁ・・・それ」


うなずく、小次郎。

白い歯がまぶしい。

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