グランハルト大陸編

第45話「その女性、神の力の魔法」

…ディビット学園


ここでは前に恵たちが訪問した場所であった。副校長であるノッタはまた書物を見ていた


そういえばあいつら、帰ってからこの学園都市に血漿族が全く現れなくなった。きっと浄化したのだろう


しかしあの恵…本当に強い。学園都市に血漿族が来たときに圧倒的に強さを見せて倒した


きっと…あの浄化者たちがいたからこそ今がいる。だからこそ、問題はないのだろう


ノッタは書物を見ていた。だが、あるワードが目にやった


「ん…?」


前に恵に見せたあとのページであった。そのページをよく見る


「何…?『別大陸にて、新たな浄化者が生まれるだろう。その浄化者は強き力を持ち、さらなる希望へと導く…』だと!」


別大陸…ノッタはすぐにわかった。ここはヴァルキュリア大陸。そしてグランハルト大陸がある


もしかしたらそこの場所に第2の運命の浄化者がいるとのことだった


「…しまった。よく読んでおけばよかった!これは…校長に伝えよう。恵が来てからよく読めばよかった!」


書物を持って副校長ノッタはすぐに出る。新たな浄化者がいることを伝えて


―――正義の風だ。荒れるぜ


           閃光浄化神聖拳

          グランハルト大陸編



―――ん?なんだここ?


その少女は暗闇の中を歩いていた。あれ?私、確かに死んだような?


少女はとことこ歩く。すると歩いた先に光が見えた。何かある!そう思って少女は行く


光が見える。闇が切り裂く。そして光の先から声がした


「…運命に選ばれし者よ」


「な、なあ…なんだこれ?」


少女が言うと光がいう


「私はヴァルキリー。この世界の神だ。名前は?性別を教えてほしい」


「私は成田環!(なりたたまき)性別は女だ!」


少女は精一杯の声でいう。そう言うとヴァルキリーはいう


「よき性別によき名前だ。お前はこれから正義の浄化者としてこの世界を救ってほしい。これは決めたことだ」


なんだか早速世界を救えだなんてヒーローみたいなことを言われた


「で、でも私、まだわからないし、これから世界を救えだなんて」


「…お前に力を授ける」


「うーん…」


「迷ってる暇はないぞ。それ」


それ。そう言うと環の手の甲が光出す。すると甲が紋章が現れた。かっこよく、目立つ紋章をしていた


「こ、これは一体?」


「お前は水を使う浄化者だ。その水はささやかに、ときには荒れて、血漿族を倒す。そんな力だ」


「血漿族?」


ヴァルキリーは更にいう


「その世界は血漿族と呼ばれるクリーチャーがいる。今世界を救わないと、やがて世界はクリーチャーだらけになるだろう」


「な、なるほど…」


納得したのか環はヴァルキリーに向けていう


「わかった。私、やってみる。ヴァルキリー、ありがとう」


「よくわかってくれたな。お前を比較的安全な場所に移動させる」


そう言うとヴァルキリーは付け足しでいう


「そして別大陸から恵と呼ばれる女性の運命の浄化者と選ばれし者がいる。もしかしたら会うこともあるだろう。その時は仲良くせよ」


私だけじゃなくて別の人がいるのか。ここは従ったほうがいいだろう


「わかった。恵、だな。私と同じ女性ならきっと仲良くできるぞ」


「よし。ではお前は今から村に行かせよう」


そう言うと光が消えていく


「私は?一体?」


一言いうと環の意識が飛んだ



モニカ村


ここではのんびりとした空気が流れる村。ここでもやはり血漿族の脅威がある地域でもあった


人々は血漿族の恐怖におびえていた。だが、抵抗できる人もいた。わずかな兵で対抗している


しかしいつまでそれが持つか。そんなことを考えていた。一人の兵が村の門に行く


今日は特別血漿族も見なかった。いつ来るかわからないが、きっとまた戦うことがあるだろう


彼女はライフルを持ち、血漿族に対抗していた。そのライフルはあまりにもでかい


赤色の髪をなびかせ、スレンダーな体格をしていた。よし、村は平和だな。今のところ


…彼女の名前はルーザ。ライフルと呼ばれる新しい武器で村を守る、傭兵であった


ルーザは村を確認する。いつまた血漿族が来るか。それの確認であった


「…王国から派遣で来たけど、ある程度平和ならいいんだけどね」


ぽつりという。するとどこからか声がした。その声は脳の響く、声だった


「…そこのお前」


「…え?誰?私に?」


その声は更に響く


「運命の浄化者がいる。湖に行き、目を覚ますことをしろ」


「え??」


その声は終わった。誰だったんだろ?湖?とりあえず行くか


彼女は村に帰ったばかりだが、運命の浄化者という人物を見ていくことにした


村から湖へ。そこはきれいな湖をした場所。ここで平和なときは水遊びなんてする場所であった


「えーと…運命の浄化者…」


するとすぐに見つけた。普通の格好をした、緑色をした髪をしていて、ゆっくりと眠っているみたいだった


「…起きてちょうだい」


ルーザはその子を起こす。するとすぐに目を覚ます


「ん…?ここにいたのか」


「貴女、一体何者?」


「私は成田環。水の…魔法が使えるんだよ」


そう言うと環はルーザに神の紋章を見せた。ルーザは驚く


「これは神の紋章?そんなの持ってるなんて貴女何者なの?」


「神に選ばれたんだ。だから今、血漿族を倒すために行く」


なるほど。これは良いことだ。ルーザはすぐに納得していた


「じゃあ早速村に行きましょう」


「ぐるるる…」


…この声。間違いない。血漿族!


血漿族は血塗られた姿をしている。3体いた。さっきまでいなかったのに…!


「くっ!」


ルーザは持っているライフルを構える。環は冷静にそのクリーチャーを見ていた


「あれが血漿族か。なるほどな」


環はゆっくりと体を起こしてクリーチャーに近寄る


「あ、危ないわよ!」


「はぁぁぁ…!」


何かを念じている。何をするんだ?そう思っていると次の瞬間、魔法の言葉を言った


「…メイルシュトローム!!」


ごおおおお!!水がうねり、あらしのような竜巻が発生した


水の竜巻、メイルシュトロームが発生したあと、血漿族はすぐに巻き込める


「ぐあああああ!」


水が切り裂き、クリーチャーはあっという間にチリひとつ残さずに消滅。一瞬の出来事だった


その状況を見てルーザはぽかんとした


「あ、貴女…!水の魔法って、メイルシュトロームだったの!?」


「ああそうさ。よくわからないけどできるんだ。一番すぐにできたのがこの魔法さ」


「メイルシュトロームって、水魔法最強の呪文じゃない!どうしてできるの!?」


ルーザはまずそれにびっくりした。まさかいきなり現れていきなり最強魔法を使える人に会うとは


「と、とりあえず村に来ない?」


「おう、私はいつでも行けるよ」


自信ある人物。いったいどういうことだろう?


環、ルーザは村に戻ろうとした




『いいぞ環』


『その調子で血漿族を迎え撃て』


『お前の力はどの血漿族にも負けないだろう…』



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