第38話「帰り際の遭遇」
…朝がやってきた
9人は起き始めて、廊下に出る。恵とロザリーはすぐに起きた。元々朝に強いのだろう
続いてウェナとコルスが来た。あまり寝ぼけた様子も無く、心地よい朝だ
次は杏とリミット。リミットが若干寝ぼけていたが杏は大丈夫なようだ。子供のリミットは少しだけである
そしてまだ来ないあの3人。恵は早速カロフト、リリアナ、サンダースの部屋のドアをどんどんする
「みんな!朝よ!」
ドアを叩くとがちゃ…と誰かが開けた。サンダースとカロフトだった
「やあ恵。リリアナが全然起きないから起こしてやってくれ」
…やっぱりリリアナが起きないのか
恵は部屋に入りまだ眠っているリリアナを起こそうとした
「ほらリリアナ。朝よ」
「う、うーん…」
朝に弱いのかこの人。そういえば実家暮らしだから起こしてもらってるのだろう
「じゃあ私、リリアナの大砲を改造しちゃうわね」
恵が冗談で言うとがばっとリリアナが起きる
「そ、それだけは止めて!」
「あら起きたの」
そんなことでリリアナはようやく起きる
「いやー危ない危ない。私の半身が大変なことになるところだった」
そう言うとリリアナは大砲を持った
…ようやく全員が目覚めて廊下にいた。すると生徒が近寄る
「おはようございます。皆さん。これから朝の食事がありますので、ご案内いたします」
生徒に連れてもらい9人は食堂に行くことになる
食堂に着いた。ここは広い部屋になっておりたくさんの寮生活をしている生徒が集まって食事をとっている
9人は一応テーブルに座り、そして食事をしようとしていた
「なんだかこういう雰囲気、悪くないわね」
食事の受け取り口に食事を渡されてテーブルに座る。美味しそうな食事が多いことだ
「いただきます!」
9人はそう言うと食事を食べる。うん、美味しい。朝にぴったりな食事があった
パン。サラダ。マカロニ、スープ。そして牛乳。こんなぴったりな美味しい食事があるとは。この寮暮らしの生徒は幸せ者だ
「なあ恵」
「うん?何?」
カロフトは言う
「そろそろ帰ろうか。地帯の浄化もしたし、これ以上ここにいても意味は無い」
「そうね。校長先生と副校長に挨拶して帰りましょうか」
そう言うと恵は周りを見渡す。この9人という人数だから周りの生徒の注目の的だ
当然だろう。運命の浄化者なのだから。そして浄化をしたというニュースも入ってくる。それで注目されないのは違うことだ
恵はそんな視線を受けながら朝の食事を済ますことになる
~
「…帰るのですね」
9人はお礼を言って学園の入口にいた。校長と副校長がお見送りをしてくれた
「寮のベッド、良かったわね。朝ごはんも美味しかったわ。また血漿族が来たらいつでも呼んでちょうだい」
恵が言うと副校長のノッタは言う
「お前たちの活躍、今後も期待してるぞ」
「ノッタ。あまり変態なことはせず頑張りましょうね」
コルスは付け足しでノッタに言った
「う、うるさい」
そうは言っても有り難い人たちが来てくれたことはとても感謝でいっぱいだった
「じゃあねみんな!また会いましょう!」
9人はゆっくりと動き出し、そして離れていった
「…頑張れよ9人の運命の浄化者。お前たちはこの世界の希望になるだろう…!」
学園入口から門まで。これから王国まで戻ることになる
「学園都市って面白いところだったわね」
「ええ。私も生徒になりたいって思いました」
恵とロザリーは言う
「…ちょっと。門に誰かいるぞ」
「え?街の人じゃ…。あ!」
学園の門に誰かいた。それは前にあった、無口で一回戦った、黒いフードをかぶった、あの人のクリーチャーであった
「ど、どうしてここに…!」
「あいつ!この都市に来て何をするんだ!」
恵は8人をすっと止めた。これは私とタイマンをしたほうが良さそうだ
「…私にまかせて。もし何かあったら援護お願い」
そう言うと恵は8人より前に出て黒いフードをかぶったクリーチャーに近寄る
「…あんた。ここで戦おうというの?」
「…」
相変わらず無口だ。これでは会話が成立しない
「やるならかかってきなさい。今度こそ、あんたを仕留めてあげるから」
「…ない」
「え?」
初めて聞いた。人のクリーチャーの声がした
「…そうではない。俺はあくまでも貴様らの活躍に嫉妬している」
この人のクリーチャー、性別はきっと男なのだろう
「ならあんた。どうしてここをとうせんぼしてるの?」
「…貴様ら。血漿族は滅んでない。血漿族とはこの世界を元の世界にする。そんなクリーチャーたちだ」
…?どういう意味だ?言ってる意味がさっぱりわからない
「どういう意味よ!?あんた何言ってるの!?」
恵が大きい声で言うと人のクリーチャーの背中から羽が生えた
「なっ!」
「…これからも貴様らを混沌の渦に巻き込む。俺はその役目だ。今は引こう」
その言葉を言った瞬間、空へ飛んだ。やがて空へと消えていった
カロフト、リリアナ、サンダースはすぐに退治できるように構えたが、空へ飛んでしまっていなくなってしまった
8人は恵の元へ行く。なにもされずに去っていった
「恵。何もなかったね」
「ええ。でも一体どういう意味かしら。元の世界…混沌…」
人のクリーチャーの言ったことが気になっていた恵。何をどうするのだろう?
「…でも、いずれはあのクリーチャーと戦うことになるのね」
杏はぽつりと言う
「大丈夫だよ恵お姉ちゃん。みんなの力を合わせればあんなの、ぼこせるよ」
リミットが笑顔で言った
「…そうね。今は考えないほうがいいかも」
~
「みんな乗ったかい?それっ!」
カロフトは大きい馬車で馬を動かした。そろそろ王国へ帰るところだった
大きい馬車に揺られて8人はいた。恵はさっきのクリーチャーの言うことが気になった
元の世界とはなんだろう?混沌、この世界は混沌になっているのは確かだった
…今は考えなくていいだろう。そういえば気になることがあった。勇者の存在だ
カロフトは馬を動かしているが、恵は言った
「カロフト。勇者って…例えば王様に会ったこと、あるかしら」
動かしているがカロフトは言う
「そうだなあ。会ったこと…あるんじゃないかな」
「恵。女王も会ったとのことでっせ」
コルスが言う。やはり会ったのか
「秘境村へ行ったってことだから、秘境村にヒントがあるの?」
そう言うとウェナが言った
「秘境村のすぐ側には魔法都市がある。3番めに大きい都市だ。そこへ行ったかもしれないな」
「じゃあ…タイミングを測ってそこへいきましょう」
勇者の行方。もしかしたら魔法都市にあるかもしれない
恵は新たな目的を見つけて、考えていた
元の世界、混沌
やはりクリーチャーの言ったことは気になる
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