第32話「王様の復活」

…今日もまた、地帯を浄化していた恵たち


下水道の地帯は浄化してその後に兵士がその場所を写真に写して城へ報告


そしてセントに渡した。ウェナを含む8人はセントの前にいた。セントはまた嬉しい顔をして言う


「ありがとう。君たちはとても強い。また何かあったらよろしくな」


そう言うと恵は胸をどんと叩いて言う


「当然よ~!私たちは強いんだから!血漿族が来たらいつでも呼んで頂戴!」


恵が言う。なんて自信に溢れた言葉なんだろうか。遊撃隊とはいえ、ここまで強い人はいないだろう


そんなこと思ってたらセントは言う


「恵たち。そういえば王様が来てほしいとのことだ。王の間に行ってほしい」


「うん?わかったわ」


恵が言うと早速王の間へと向かうことになった



こんこん


王の間の扉を叩く。がちゃ…王の間に着いた


そこには王座に前に恵が傷の浄化をした王様がいた。その横に王子が立っていた


もしかしたら王は健康的になったのか。そう思った知ってる人たちだ


「恵。私を癒やしてくれてありがとう。心からお礼を言いたい」


「父上はな。やっと健康的になって、完全に完治した。父上はお前にお礼をしたいと思ってるんだ」


アルマイトが言うといなかったサンダース、リリアナ、ウェナが言う


「恵。君は傷も癒せるのか」


「へえ~。王様の傷を治したんだ」


「ほう…これはすごいことだな」


3人がそう言うと王様は言う


「だからこれから大丈夫だ。次からは血漿族には近寄らないことにする。お礼をしたい。何かあるか?」


王様は言うが恵は困ってしまう。あまり物欲センサーが無い恵だからだ


「う、うーんと…どうしようかしら…」


困っていると杏は言う


「恵。ここはお金にしたほうがいいわよ。お金があったら困らないから」


そういえば杏の父は言ってたがお金は多くても困らないとは言ってくれた


「んじゃあ…お金」


恵がぽつりと言うと王様は早速用意してくれた。王の部下から手渡しでお金を用意してくれる


「わあ…こんなにいっぱい…!」


「好きに使うがよい」


お金が入った袋からたくさんの金貨があった。これはこの世界でどんなに価値のある金貨だろう


そう思うとアルマイトから連絡が来る


「これから何かあったら父上に言ってくれ。俺はそのまま部隊を管理するがな。俺か父上にな」


「ええ!わかったわアルマイト!」


「これでいいな。よし、下がれ」


8人はウェナも含むお辞儀を軽くして王の間を去った


「…すごい人たちだ。運命の浄化者とは本物なんだな」


「あれでも全員が女性だから驚くよな。父上」



城の門。今日は王様からお礼金を貰ってとてもウキウキしてる


8人は早速何に使おうか考えていた


「ねえねえこれで何使う!?」


杏は興奮しながら言う


「杏。君はお金になるとこんなに興奮するのかい」


「だってこんなに貰ったのよ!?こんなの興奮するに決まってるじゃない!」


杏は結構現金主義だったか。そう思ってると恵はまたぼやーっとした顔になっていた


「…どうしたんだい?恵」


カロフトが言うと恵は我を取り戻す


「いや!なんでもないわ」


またあのとき、食事をしたときの表情だった。何か思い出すことがあったのだろうか?


「ねえねえみんな。このお金もそうだけど、食事しない?」


「あ!行きたい!」


リリアナの提案にリミットはすぐに乗っかる。当然みんなもうなずいた


「私も…いいのか?」


「何言ってるの。ウェナだって仲間なんだから」


「そ、そうか」


8人は北地区の繁華街へと向かう


北地区繁華街へ行くと美味しそうな香りがする。すっかり夕方過ぎの時刻になっていた


リリアナの案内で店に到着する。ここは…なんだろう?


「ここは何?」


「看板で書いてあるとおりさ。串カツ屋!」


そう言うとみんなが喜ぶ顔をした


「あたし串カツ大好き!」


「わあいボクも一緒だよ!」


8人という大人数で店に入っていった


店に入ると大きなテーブルに案内される。さあ何を食べようか


「私はねぎま!美味しいのよね!」


「ならアタイは砂肝を!」


「おいおい。レバーを頼まないでどうするんだい」


リリアナ、カロフト、サンダースは思い思いのことを言う


「じゃああたし皮でも頼むわ」


「ボクはもも肉を頼むよ!」


杏もリミットも一緒だ


「まあ。皆さんたくさん食べるのですね」


ロザリーはみんなの嬉しい顔を見て思わず笑みがあった


「…」


しかし、恵は笑っておらずただメニューを見て普通に無言になっていた


(どうしたのだ)


ウェナは恵の顔を見て思った


注文をしてしばらくするとみんなの思い思いの肉が来た


そしてリリアナはいつの間にか酒を頼んでおりそれも届いた。リリアナとカロフト以外は全員ジュースだった


「じゃあ、今日も一日ご苦労様でした!かんぱい!」


「かんぱい!」


そう言うとみんなは一気に飲んだ。美味しい。リリアナはすぐに酒を飲み干した


「いやー!染み渡るわね~!」


「貴様。一気に飲んで後で知らないぞ」


そんなこと言ってもリリアナはまた酒を注文する


さて、串カツだ。たくさんのカツを頼んで一気にいただくことにする


「むしゃむしゃ…美味しい!」


リミットは美味しそうに言う


「私も久しぶりにこんな串カツを食べたよ」


サンダースは嬉しそうに言う


「二度漬け厳禁だからね!」


「わかってるって」


リリアナは注意した。ウェナは食べているが、恵の顔がまたどこか無表情であった


なぜこんな美味しい肉を食べているのに無表情なのだ?ウェナは聞いてみることにした


「恵…貴様、どうしてそんな表情してるんだ?」


「…うん?あのね。この料理みたいなの食べてると…なんだかどこか懐かしい気がしてね」


恵の言葉でみんな一旦食べるのを止める。カロフトはまた始まったか。という言葉を心で行った


「また…何か思い出すのかい?」


「うん…」


恵が言うとリリアナは不思議な顔をする


「貴女…どうしてそんな顔するの?」


「私は、記憶が無いの。最初にわかってる場所は神と会った場所で、気がつくとロザリーの村にいたの。それだけよ」


「じゃあ…子供のときを知らない、と?」


リリアナは言うとまた即答する


「わからないわ」


「貴様…記憶喪失なのか?」


「…」


記憶喪失。そう言われてもわからないものはわからない。それだけだった


「…そうか。記憶喪失なら良い。いずれ思い出すだろう」


「お姉ちゃん。きっと思い出すよ。だから今日はたくさん食べよう?」


「…そうね!」


恵はまた串カツを食べはじめる。記憶喪失なら大丈夫だ。きっと思い出すことがあるだろう


そんなワンシーンがあったが、8人は美味しく串カツをいただいたのであった



「…じゃあね。サンダース、リリアナ、ウェナ。貴女たちは家、あるでしょ?」


串カツを美味しくいただき満腹になって満足すると、3人とは一旦のお別れをする


「私は家あるから帰るわ。親がうるさいし」


「本当ならカロフトの家に行きたいが…一応、私も家がある」


「貴様らといると楽しいのだが、一旦帰ることにする」


そう言うと3人は恵たち一行から離れる


「今日はありがとう!じゃあねまたあした!」


恵は手を振って3人を見送った


「…じゃ、アタイの家に戻るか!」


「はい」


5人は帰ることになる



恵の記憶


果たして記憶喪失なのだろうか?



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る