第13話「カロフトの家」
…すっかり夜になった
恵、ロザリー、杏、リミットはカロフトの家へと向かうことになる
城を出て商店街へ、そこにはたくさんの店が並ぶとても美味しそうな香りもする商店街だった
「わぁ、美味しそうなにおいがするね」
リミットは顔をウロウロしながら店を見ていた
「ところでカロフト、どうして王子にはタメで話してるの?」
恵が言うと、カロフトは答える
「ああ。アルマイトとは幼なじみに近い関係なんだ。だからついついタメで話してしまうね」
なるほど幼なじみか。ならそんなふうになってしまうだろう。リミットは2人の顔を見て言う
「ねえねえ美味しそうな店たくさんあるよ!」
リミットはさすがにまだ子供だ。だがカロフトは言う
「大丈夫だ。家に帰ったら美味しいもの作ってあげるからさ」
「ほんと!嬉しい!」
歩きながらぴょんぴょん跳ねるリミット。子供なので色々な感情表現は豊かである
商店街を抜け、住宅街へと向かった
住宅街に着いた。ここはこの国有数の富豪が住んでる街。通ってみたが本当にでかい建物が多くまるで高級住宅街だ
カロフトももしかして富豪なのだろうか?そんなこと思ってたら着いた
「ここがアタイの家さ」
「カロフトの家…でか…」
杏はぽつりと言った。大きい家でまるで誰か家族が住んでるかのような大きい家だった。2階建てである
庭あり門からの距離ありなんでもありな家であった
「弓兵なのに、結構大きい家なんですね?」
「ああ。まあ前にいた親の関係もあるんだがな。よかったよ。あんたらが来て。これで使える部屋が増えることになった」
門を通り玄関を開けた。そこにも大きい玄関が待っていた
「わあ…きれいな玄関…」
「靴は脱ぐよ。あがりな」
「お邪魔しまーす」
5人は靴を脱いで玄関の中へ。まず案内される場所があった
「リビングに行こう」
カロフトはリビングへと案内する。リビングは広々としていてまるでパーティーをしても大丈夫そうな広さだ
「大きい…!」
リミットは目を輝かして言った。感動してもらったのは嬉しい。と、カロフトは心で思う
「次はアタイの部屋だよ」
リビングを後にして次に向かったのはカロフトの部屋。いいのだろうか?恵は言う
「いいのカロフト。あなたのプライバシーがあるんじゃないの?」
「何言ってるのさ。男だったら入れないけどあんたたち女性じゃないか。大丈夫さ変な趣味はない」
がちゃ。部屋のドアを開けると甘い香りが漂った。アロマか?部屋が広く、まるで何人も入れる部屋だった
ベッド、机、タンス、雑貨を置く場所。洋服を入れる棚。本棚、飾ってある弓や武器…色々とあって見て飽きない
「ふう。ここへ来るとようやく落ち着くね」
カロフトはゆっくりとベッドに腰を下ろす。他の4人はこの部屋を見ていた
「まあここで布団敷いて4人とも寝られ…」
「あ、この本見たことあるわ!週刊誌好きなのよ~」
「この香水知らないですね…さすが都会だけあります」
「わ!この武器大きい~!飾ってあるのもったいない~!」
杏、ロザリー、リミットは思い思いのことを言う
「…結構珍しいのかもしれないね」
「ねえカロフト」
一人、恵だけが冷静に言う
「なんだい?」
「ちょっと立ってほしいわ」
「おう?」
立ったカロフトに恵がすっと手をつかむ。なんだ?カロフトは妙な顔で恵を見る
「貴女に…神聖な力をあげるわ」
その言葉を言った瞬間、カロフトは体からぞぞぞっとした寒気があった。しかしそれは一瞬の出来事であり、すぐに終わる
「…何をしたんだい?」
「これは神聖なる力の譲渡…私の力が貴女へと伝わって、力が神聖なものになったわ。これから血漿族も倒せるようになるのよ」
そんなことを!?カロフトはびっくりしつつも恵を見る
「あ、アタイにそんなのを?いいのかい?あんたが弱くなるんじゃ…」
「ううん。私は弱くならない。だってロザリー、杏、リミットに渡したから決して弱くならないわ。今後もよろしくね!」
恵はとびっきりの笑顔で言う。その笑顔を見てカロフトは喜ぶ
「嬉しいことしてくれるねえ!ならもっと頑張らないとだめだね!強いあんたに追い抜かすような戦いをしないと!」
そう言いながら嬉しそうにする。これで4人め。きっと活躍してくれることは間違いはないだろう
~
じゅーじゅー
肉を焼く音である。今日は焼肉だ。様々な肉を用意して食べている
「お肉美味しい~もっと食べようっと!」
「ほらリミット。タレが頬にくっついてるわよ」
杏はリミットの頬をタオルで吹く
「あまりお肉は食べないのですが…いいですよね」
「いいのよ。どんどん食べましょう」
ロザリーと恵は言う
「どんどん食べていいんだよ。今日は仲間が増えた記念日だからな!」
女5人とは言えど食べる量は多い。まだまだ子供のリミットは喜んでいた
「ねえカロフト」
「ん?」
カロフトは言うと恵は言う
「この国に…何か血漿族の噂、無い?」
噂…カロフトは何か思い出せそうであった。そして言う
「そうだねえ…もともとこの国は平和だと言うが、黒いフードの人間っぽいのがいるがあれは血漿族の邪教徒なんて噂があるな…」
その言葉を聞いて杏はぴたっと止まる
「人間型のクリーチャー…かしら」
「どうだろうね?黒いフードの奴らはそうかもしれないし違うかもしれない。だがそういう邪教徒がいるという噂はまだ調べてるだけさ」
ふうん…。まだ人間型のクリーチャーというのは対峙してないが、恐らく今後会うのだろうか
「わかったわ。ありがとう。私たちが浄化を進めればきっと出くわす可能性があるわね」
「…だね。大丈夫さ。そんな奴らはアタイらでボコしてやろうぜ」
誓いの言葉だった。大丈夫。5人なら上手くいく。気持ち悪いクリーチャーでも人間クリーチャーでも浄化させるのが一番だ
決心したように。恵は嬉しそうにまた焼肉を食べていた
ヴァルキュリア国の夜
ここは比較的暖かい気候に覆われていた
続く
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます