第11話「国外れの浄化」

…その行進は王子がいるからかがっちりと守られた隊列だった


恵一方は国の近くにある血漿族の地帯を目指して行く。もちろん恵たちは守りながら進んでいく


まだ行ってない国の西側にある草原を目指していた。きれいな草原だ。恵はそう思っていた


そんなきれいな草原に血漿族の地帯があるとは…。行進しながら進んでいた


そして着く。とは言えどすぐ近くというわけではなく遠くのほうで血漿族の温床を見ていた


確かに…温床からは血漿族のクリーチャーがいる。人型、虫型、ウロウロしてるのだろう。恵たちは嫌な顔しながら見る


「あれだ。お前たちの力を存分にふるってほしい。頼む」


恵、ロザリー、杏、そしてリミットは戦闘態勢に入る。あのぐらいなら簡単にやっつけられるだろう


「わかったわ。さ、行こう」


そう言うと一人の女弓兵が言う


「まちな。アタイも一緒に行くよ」


弓を構え、矢を用意して恵たちと一緒に攻撃したいと希望している


「カロフト!お前は王子を守るんじゃないのか!」


カロフトと呼ばれる女弓兵は隊長に向けて言う


「大丈夫さ。アタイはこの国の一番の弓兵…クリーチャーなんかあっという間に射抜いてやるからさ」


彼女はガッツポーズしながら言った。大丈夫だろうか…


「貴女も付いていきたいなら来ていいわよ?」


杏は言う。カロフトは喜んで言う


「ああ!よろしくな!」


「準備できた?行くわよー!」


5人は一気にクリーチャーはいる場所まで行く。クリーチャーは反応したのか即襲いかかろうとした


「いつもどおりの戦法で行くよ!」


恵が言うとロザリーはすぐに光をあびさせる。これは行動を封じる光だ


「ぐぐぐぐ…」


血漿族地帯付近にいるクリーチャーはすぐに行動を封じられた。次は杏の番だ


「それ!焼き尽くすわよ!」


杏は得意でなおかつ聖なる力を手にした火炎放射でクリーチャーに炎を食らう。だいたいの数のクリーチャーは燃えカスとなる


「ぐあああ!」


「次はアタイだ!」


動きが止まっているクリーチャーに矢を放つ!人型クリーチャーは頭を射抜かれてそのまま撃破


「意外とあれで撃破できるのね」


「人は見かけによらないです」


まだ止まっているクリーチャーを退治に恵とリミットは瞬時に動き出す


恵は蹴りでクリーチャーを倒す!リミットは得意のナックルでぶっ飛ばす!


どが!どこん!


すごい音をしてクリーチャーはあっという間に浄化。どんどんボコボコにしてクリーチャーの数を減らす


ロザリーは再び光を。杏はまだまだ火炎放射を。そしてカロフトは矢で応戦。次々とクリーチャーを浄化していった


血漿族の地帯の近くまで行く。恵とリミットは行くとこの地帯のボスなのか大きい血塗られた赤いクリーチャーが出てきた


「ぐううう…!!」


威圧している。しかし恵とリミットは怖がることはない


遠くで見ていた王子たち一行はその退治の速さにかなり驚いた様子が見れた


「…すごいな。なぜあんなに早く仕留められるんだ…」


恵は大型クリーチャーと対峙することになる。しかし、やることは同じ。こういう大型クリーチャーならあるものがある


「お姉ちゃんどうする?」


「私にまかせなさい」


そう言うと恵は一歩踏み出す。クリーチャーが襲いかかってきた!


「ぐわあああ!!」


「お姉ちゃん!!」


クリーチャーは丸呑みしようとしたのだろう。口を大きく開けて恵を飲み込もうとした!


がしっ!


しかし瞬時に行動したのは恵だった。恵は口をしっかり止めていた。そして恵は言いながら波動弾の構えをした


「…ふん!」


少しだけ口の中から構えをして波動弾を撃った!すごおおおお!!


その勢いは凄まじくクリーチャーはすぐに撃破。何も音もせずに崩れ落ちて浄化。クリーチャーたちは全滅した


「悪いけど丸呑みっていう特殊性癖はないのよ私」


軽くジョークを言って彼女は地帯に手を置いた。今から浄化をする構えだった


「はぁ!」


恵の声で血漿族地帯はすぐに消えていく。残ったのは草のみだった。ロザリー、杏、そしてカロフトは恵に近寄る


「お疲れ様です恵!」


「やっぱりあんたは凄い人ね」


「こんなことできるとは…アタイはびっくりだよ」


「お姉ちゃんのいいところだね!」


そうは言ってもいつものこと。恵は全然気にしない様子でいた


パチパチパチ…!


突然拍手が来た。そこには近くまで来ていた王子、アルマイトが拍手をしていた


「見事だ恵たち。俺はお前たちを心からお礼をしたい。予言どおりだ。お前たち浄化の者が来て未来を変えてくれるというのは本当だったな」


「ふふーん凄いでしょ?」


恵が言うと他の4人も嬉しそうな表情になる。やっぱりこの人はすごい。そう思った


「…とりあえず、城へ戻ろうか。もう血漿族も出ないだろう。そこでお話がしたい」


そう言うと恵たち、アルマイト、兵士たちが全員で城へ戻ることになった



ここは王の間。アルマイトが王座に座り、恵たちは対面でいた。そこにはカロフトの存在もあった


「…お前たち。これからどうするか、決まっているか?」


…うーん。そういえば決まっていない。ここから離れて浄化の旅を続けるか。それともここにいるか。決まっていなかった


「そうねえ。決まってないわ」


「なら、この国の遊撃隊としていてくれないか?いわば傭兵だ。この国なら色々な任務が参り込んでくるだろう。悪くない話しだろ?」


それは思ってもいなかった話。恵はとりあえずロザリー、杏、リミットに言う


「なかなかいい案だと思うけど、みんなどう?」


「私は問題ありませんよ」


「遊撃隊でいられるなんて文句はないわね」


「ボクは反対しないよ!」


3人に許可をもらった。恵は再び王子に顔を向ける


「遊撃隊に志願するわ!」


そう言うと王子は喜ぶように言う


「よし決まり!お前たちには血漿族の浄化を任せる。そんな任務が来たらお前たちに話しておく。それでいいな?」


「はーい!」


恵は大きな声で賛成した。これならいいだろう。アルマイトは付け足しの言葉を言う


「ただし。この大きい都市だと迷子になるだろう。カロフト。お前がしばらく案内人になってくれ」


「おう!アルマイト、あんた強そうな部下持って幸せだな!」


…王子とは呼ばずなぜ名前で言うのだろう?


「カロフト。よろしくね」


「ああ。あんたたちとは仲良くなれそうだ!これから血漿族退治しようぜ!」


嬉しそうにカロフトは言う。アルマイトは思ったがきっと彼女たちが世界を救うだろう…そう心で思っていた




遊撃隊と決めて新たな一歩を踏み出した恵たち


その先には一体何が待ち受けているだろうか?


続く



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