第3話「道なりのクリーチャーと技」

翌日…


恵はこの村が安全になったと思い、ここから旅立つことにした


村人と村長が恵の旅の安全を祈って見送りをしようとしていた。恵は笑顔でいた


「みんなありがとう。私は旅立つわね」

そう言うと全員が旅立つことを決意した恵を見送る


「恵、ここから辛いことがあっても神から選ばれたその紋章を誇りに思って行け」

村長は真面目な顔で恵を見た


そういえばロザリーがいない。どこへ行ってしまったのだろうか?恵はそう思ったら…


「恵さーん!」

ロザリーが近寄った。その格好はシスターの服では無くまんま普段着に近い格好だった。おまけに杖とバッグを持っていた


「ロザリー!どうしたの?」

恵が言うとロザリーは言う


「私も恵さんの旅に同行したいです!貴女と私ならきっと良き旅になると思います!」

なんと。旅に同行したいという。恵はどうしようか悩んだが…


「…わかったわ!ロザリー、一緒に着いてきて!村長、いいわよね?」

恵が言うと村長の答えはひとつだった


「ああ。いいぞ。ロザリー、あまりこの人の邪魔にはならないように」

村長が言うとロザリーは笑顔で言う


「はい!もちろんです!」

ロザリーが言うと恵の側に来た


「これからもよろしくね。ロザリー」

「はい!恵さん!」

2人が言うとそろそろ旅立つ時間だ。2人は村人に見送られながら、旅立つことになった


「じゃあねー!私、血漿族を倒しに行くからー!」

「皆さん!私はまた帰ってきます!」

2人は手を振り村人達を見た。村人達も全員手を振って旅を見送る。2人が姿が遠くなるまで見送ってた


「…頼んだぞ恵、ロザリー。お前達はきっとこの荒れ果てた世界を救うことになるだろう…!」


舗装されてる道を進む恵とロザリー。2人は既に親友のように会話をしていた

「貴女が来てくれて嬉しいわ。本当は1人で行こうと思ってたけど」

「だめですよ。私もきちんと行くと決心しましたから。だから一緒ですよ恵さん」


ロザリーが言うとふと思ったことを言う恵

「だったらさ。ロザリー、さん付けはしなくていいわよ?」

「そうですか?わかりました。恵」

「うんうんそれでいいわ。あと敬語は無しで」

「え?敬語は無し…私、敬語がほとんどだったので難しいです」

「そ、そうなんだ」


ロザリーは基本的に敬語で喋っているものだからやめるのはちょっと難しいのかもしれない


しばらく道なりを歩いた2人。森に差し掛かった道があった

「森…ここは突然血漿族が現れそうで怖いわね」

「奇襲があるでしょうか。恵、十分警戒しましょう」


森を進むと決して奇襲なんて無かった。しかし、道を立ち塞ぐものはあった

血漿族を生み出す場所。血漿地帯だった


「…あったわね。血漿族の場所」

「ここにありましたか…」


血の匂いと異臭がするこの地帯。ロザリーは慣れたのか鼻をつまむことはなかったが、それでも十分すぎるほど嫌な匂いだ


「私が行くわ。もしかしてこの先が新しい村があるのかしら」

「そうです。メニー村という村があります。しかしその村人は私の村まで来なかったのはこれが原因でしょう」


恵は一歩近寄る。するとこの血漿地帯の番人であろう、血漿族がすぐに現れた。邪魔は消すぞ!みたいな現れ方だ

その血漿族は大きく、まるで泉から現れた化け物だった。黒く、血が出ていて、怖い存在だった


「これは…どうしたら倒せるかしら…」

「私が援護します」


そうしよう。そう思ったら急に声が聞こえた。この声は間違いない、神の声だった


『恵…恵よ』


『お前の手を相手に開き、手に集中しろ』


『波動弾が撃てる。その力は強力だ。やってみろ…』


…!?突然言われて驚くが、恵は神の言う通りにやってみることになった


スッ…右手を血漿族に向けた


「な、何をしてるんですか恵?」

「…波動弾!」


ぼおおお!!まるでレーザービームみたいな波動が出た。とてつもなく長いビームだった

対象相手の血漿族は一瞬にして体を貫通した


「ぐあああああ!!」


血漿族が波動弾を食らい、やがて消えた。あまりにも強力で、しかも一瞬のことだった

ロザリーはその光景を見て驚く他なかった


「な、なんですかこれ!?恵、まだこんな技を持ってたなんて…!」

「いや、神からお告げが脳内で響いたのよ。こうしろって。だからできたんだわ」

「…」


この女の子は底なしなのか。改めてこの恵という存在に驚くことになった

恵は消えたと同時に血漿族の場所を手に当てて浄化する


「…はぁ!」


気合を入れるとみるみるうちに血漿族の場所が消えていく。ちょっと経つとあっという間にきれいな道になった

もちろん、血の匂いも消えて普通の場所に元通りだ。ロザリーはほっと一安心した


「恵、お疲れ様です」

「ううん。今回は割りと疲れずに済んだわ。いつもこのとおりだといいけど」


だがあの波動弾はとても強力な技であろう。神のお告げのおかげだった


「さあそろそろ新しい村です。行きましょう」

「ええ」

そう言うと2人は血漿族の場所を浄化した場所をあとにして進んだ。歩いて行けば村に着くだろう




『…そうだいいぞ』


『お前を選んでよかった。そう思うぞ』


『また新たな困難があったとき、私がお前に知恵を授けよう』


『今は道なりを進め。それだけだ…』


続く


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る