第8話 物語の序章の序章が始まった

第8話


『本題と言っても、内容は簡単さ。君、僕達と付き合って♪』

(は?)

『言っとくけど、交際的な奴じゃないぜ?君はちょっと良いかもしれないが、僕にはレオが居るんでね!』

『確かに君はリュー君よりは格下とはいえ、光る物があるよ。でも、私は愛しの息子が居るし、今はそんなくだらない事をしなくても手足や種馬作れるからなぁ………』


何か振られた。


その上、何か惚気られたし、気味の悪い事も言われた。


どう反応すりゃ良いんだよ、俺………


『おっと、何かごめんね。』

(謝られたら余計に惨めになるから止めてくれ。)

『それもそっか。で、付き合って欲しいってのはね、私達の手伝いさ。』

(手伝い?どういう事だ?)


一体、俺に何を………


『まぁ、色々とね。その為に君を………』

『喋り過ぎだよ、傲慢。』

『別に全部話しても………』

『そうじゃない、唯の制限時間切れ。そろそろコイツ、目覚めるみたいだよ?』

『あっ、本当だ。じゃあ、また今度ね。』

(なっ、待ちやがれ!)


だが、抵抗も虚しく、意識が遠退く感覚が襲う。


まるで、夢の中から覚めるかの様に………


『ああ、そうだ。』


そんな中、彼女は何かを思い出した様に考え込む素振りを見せ………


『君の従兄、一崎 人識は良い子だよ。誇りに思うが良いさ。』


何で従兄の事を知ってるのだろうか?


それ以外にも聞きたい事はあるのだが………


(何でそれをお前に言われなきゃいけないんだよーーー!!!)

『全くだね。あ、僕の子供達の事も会ったら宜しくね。』

(お前もじゃねぇかーーー!!!)


☆☆☆


■朱里………朱里side


『ふぅ、行っちゃったね。』


ほんの少しだけ名残り惜しい。


彼、私の息子に似てるからなぁ………


まぁ、化け物みたいな奴に魅入られてるみたいだけど………


『そうだね。………じゃあ、僕は帰るよ。此処はお前と一緒になったみたいで気持ち悪いんだ。唯でさえ、面を合わせるだけでも吐きそうなのに。』


全く、この怪物は戯言が上手い様だ。


『それはお互い様でしょ?気持ち悪い化け物なんて、化け物だけで充分なんだから。』


本当に悍ましい。


が無きゃ、さっさとトドメを刺せるのにさ………


『はっ、精々好きなだけ人間モドキをやってなよ。を頑張れる奴はちゃんとからw』


はは、死ねば良いのに。


『そっちこそ、を頑張ってね?そのじゃ、私達みたいな、には一生なれないだろうけどw』


そう言い残し、私は現実世界へ戻る。


「母さん、腹空いたからカップラーメン作ったぞ。」

「えっ、それならお母さんが作ってあげたかったのに………」

「嫌だよ、まだ死にたくないもん。母さん、小学生の俺より料理下手じゃん。」

「が〜ん!!??」


ああ、幸せだなぁ………


この世界には息子が居て、リュー君が居る。


お前達には無理な幸せだよ、だから………


「さっさと諦めろ、怪物ども。」


続く

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