何度も失恋した上に通り魔に殺された俺は、逆行した世界でまた彼女達とやり直す

クロスディアⅡ

第0章 プロローグ

第1話 プロローグ

第1話


失恋。


大体の人にはその経験があるのではないだろうか?


この俺、一崎いちさき 零識ぜろしきもその一人だ。


まぁ、俺の場合は4人と少し多めなのだが。


「懐かしいなぁ………」


一人目は幼馴染だ。


彼女が引っ越しする事になり、俺は思わず自分の心を打ち明けた。


そしたら両想いで、大人になったら再会して結婚しようと約束した。


だが………その願いは打ち砕かれた。


『ゼロくん、何処?助けて、助けてよゼロくん………』


彼女は俺の目の前で車に轢かれた。


様々な所から血を流しながら、俺を呼んでいた。


俺はどうして良いか解らず、泣き叫ぶ事しか出来なかった。


そして、彼女はそのまま死んでいった。


☆☆☆


二人目は中学生の頃だったろうか?


もう一人の幼馴染のお陰で、大分立ち直れてはいた。


勿論、あの時の傷は癒えてなどいなかったのだが………


そんな時、俺は彼女と出会った。


『私は貴方の事が好き。貴方の中には多分、誰が居るのは解ってる。でも、私もその中に入れて欲しいの。』


凄い女の子だった。


正直、同い年なのが疑わしい程だった。


でも、一緒に居て楽しかった。


だから、俺は告白しようとした。


しかし、現実は残酷だった。


『嘘だろ………』


彼女は殺された。


今度は俺の知らない場所で、知らない誰かに刺されて。


今度は言いたい事も言えずに失ったのだ。


☆☆☆


高校生の時は俺も大変だった。


色々あって高校生の時はちゃんと想いを伝えた上で彼女が出来た。


その彼女と親友と幼馴染も一緒に青春を楽しんでいたのだが、それをとある事件で一気に覆された。


俺は痴漢の冤罪を受けたのだ。


彼女の親友によって………


で、結局俺は彼女と別れた。


彼女は自分の親友の方を信じたのだ。


その事に別に文句は無いし、彼女が悪いと思ってはいない。


幼馴染はガチギレしていたが………


その後、数ヶ月が経って冤罪は晴れた。


その間に俺は休学してたりと色々あったが、何とか復学できた。


なので、復縁を考えていたのだが………


元カノは既に彼氏が出来ていた。


なので、普通に諦めた。


まだ大好きだけど、俺にNTRの趣味は皆無なのだ。


それに、目の前や知らない所で死ぬよりはマシだろう。


☆☆☆


俺と幼馴染は大学生になった。


此処まで来ると、とんだ腐れ縁である。


そんな中、俺はとある女性と出会った。


今までは同級生ばかりに惚れていたが、今回は年上に恋をしてしまった。


幼馴染からは『惚れっぽいのは相変わらずなのね。今回は大丈夫なの?』と言われてしまったが………


………まぁ、事実なので言い返せないし、言い返さない。


そして、頑張った結果、俺達は付き合う事になった。


順調に思っていたのだが………俺の家に変なDVDが届いた。


それを見ると………


『あっ、気持ち良い♡零識くんより気持ち良いよっ♡』


まぁ、所謂NTRビデオレターという物だったのだ。


流石に堪えた………堪えたのだが………


「何か嘘くさいな。ちょっと理由でも聞きに行くか。」


俺は驚く程に冷静だったし、彼女があの間男の方が好きなのなら普通に別れるつもりだった。


確かに大好きだけど、それを押し付けるつもりは皆無だったからだ。


「家に居ると良いけど………」


そんな事を呑気に考えながら彼女の家に向かっていると………


「………あれ?」


気が付くと、脇腹の方が痛い。


よく見ると、何かに貫かれてる。


成程、通りで痛い訳だ。


一体、誰に刺されたのだろうか?


恨まれる様な事はしてないつもりなんだけどなぁ………


『何で、何で私に………』


どうやら、滅茶苦茶恨まれてるみたいだ。


一体、俺は何をしたのだろうか?


そんな事を呑気に考えていると、キキィッ!とブレーキ音が聞こえてくる。


ああ、コレは………


「アイツと同じ末路かぁ………」


成程、俺は車に轢かれたらしい。


初めて恋をし、失恋した娘と同じ死に方が出来るらしい。


「俺は幸せ物だな………」


でも、今カノの事も心配だなぁ………


………その思考を最後に俺の意識は真っ黒に染まった。


続く

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る